原因不明の力によって、月が本来の軌道から外れ地球に接近していることが発覚する。あと数週間で月と地球が衝突するという人類史上最大の危機に、NASAの副部長ジョー・ファウラー、過去の事件からNASAをクビになった元宇宙飛行士のブライアン・ハーパー、天文学博士を自称するKC・ハウスマンの3人が立ち向かう。



SF、ディザスター、パニック、カーチェイス、何でもござれの超絶エンタメ映画だった!

やはりこういった映画、CGを使いまくった迫力映像の衝撃ありきにはなってしまうが、余裕でそのハードルを超えるリアルで大迫力の映像!メインの宇宙の美しい映像はもちろん、津波が街を襲うシーン、大量の隕石落下シーン。めちゃ予算掛かってるだろうな〜…。

金の掛かったCG映画あるある、映像で魅せることのみに注視してストーリーが最悪&ダサい説は、王道のシンプルな展開にプラスアルファで、人類誕生の謎、人類VS自我を持ったAI、月の巨大建造物としての機能、などなかなか新しい視点で描かれており、新鮮で最後まで飽きさせない工夫がされている。



今作、多くの登場人物が出てくるが、その誰もが魅力的なのが素晴らしい。パトリック・ウィルソン演じる主人公の落ち目の元宇宙飛行士ブライアン、“ゲーム・オブ・スローンズ”にも出演していたジョン・ブラッドリー演じる小太りの変人宇宙オタクKCとの掛け合いはもはやコントのようで、壮大なテーマを扱っているのにちゃんと笑いも忘れていない。ハル・ベリー演じるジョーの元夫で空軍将軍のダグ、グレにグレまくっているブライアンの息子、ブライアンの元妻の現在の夫トムetc.。それぞれ立場は違えど実は全員いいヤツなのもなんか良い!



ラスト、ブライアンが自分を犠牲にして地球を救うという王道のアルマゲドン現象が起きてお涙頂戴劇になるかと思いきや、まさかのKCが代わりに爆弾を起動しAIを破壊して犠牲になるという謎な展開へ(笑)

ローランド・エメリッヒ監督ということで、直近で観た“ミッドウェイ”の真面目に撮ったのにCGだけ凄くて他は何も残らないダサさに比べると、コメディ要素も盛り込んで遊び心のあるこちらの方が断然上だし好感が持てる(笑)
いろいろ突っ込みたくなる部分もあるが、休日何も考えず楽しむにはうってつけの王道エンタメ映画!

評価★★★(星5つが満点)