ヒトラー率いるドイツがヨーロッパ全土を侵攻していく危機的状況の中、数々の失策から忌み嫌われていたウィンストン・チャーチルが、貧乏くじを引き首相に就任することになる。周囲が和平交渉を望む中、新内閣を組閣して自身の言葉を武器に国民に徹底抗戦と団結を訴えかける。
う〜ん、決して悪くはないのだが、チャーチルの決断による徹底抗戦により、戦地で希望を捨てずに助けを待つ多くの若者たちの命が見捨てられ犠牲になったこと、チャーチル自身金持ちで、国民たちとの価値観の大きなズレや雲の上から戦地にいる人々を駒のように扱って命を軽く見ているように感じてしまい、あまり入り込むことができなかった。
政治家というものは国益を優先し難しい判断をしないといけないのだろうけど…。
確かに特殊メイクは物凄い!けど、何かモノマネを見せられているようで、それもハマりきれなかった要因かも。独特な話し方や声音、動き方、相当映像を見て研究したんだろうと思う。でも、ゲイリー・オールドマンが演じる必然性って?
そんな中、リリー・ジェームズ演じるチャーチルの新任秘書エリザベスの真っ直ぐさが輝いて見えた。チャーチルにボロクソに言われ冷たくあしらわれても、電報を打ちまくる姿は思わず応援したくなる(笑)その後、チャーチルの一番の良き理解者となり支える姿から彼女こそ真の影の立役者だろう。
あの有名な裏ピース写真が新聞に掲載されてしまい、あれはFUCKサインと同じで国民に向けて“くたばれ”と言っているようなものとチャーチルに笑いを堪えて教えたり、その後二人して爆笑するシーンは戦争という重苦しい空気を一瞬だけでも和ませてくれる。
上流階級の金持ちのおっさん政治家連中ばかりが画面を占領する中、彼女の存在は唯一身近に感じられ癒やされるオアシスみたいな役割を果たしている。
評価★★★(星5つが満点)