一曲一曲の生命力

 

耽美的なジャケットから、音数の少ないアーティスティックかつダークな内容ではないかと想像するかもしれない。

しかし、その期待はいい意味で裏切られる。小難しいことは一切しておらず、ひたすらキャッチーで哀愁あるメロディの宝庫だった。

 

 

エレクトロポップやダンスポップって、なかなか他のアーティストとの差別化が難しいジャンルだと思う。巷には音数少なめかつウィスパーボイスで唄うオシャレ系や、これまた音数少なめで陰鬱・スローなダーク系、ビートの効いたノリの良いちょいロック系などやり尽くした感がある。そんな中彼女たちは、シンプルに曲の良さで頭一つ抜け出ることに成功した。

 

ドラムレスだが、ギターの音が随所で効いており、ロック好きにも割とすんなりと受け入れられる音だと思う。ボーカルの声質はハイムと似ている。

前半は、クールで時に陽性といってもいいメロディが散りばめられた曲か配置され、中盤以降バラード調の曲も目立つ。If U Love Me Nowなんかは、ダークとまではいかず、すれすれのところで希望を見出せるという絶妙な音とメロディだ。

 

最終曲のOutroまで、全く飽きさせず最後まで聴かせる魅力にミチた曲が詰まった好盤。

 

オススメ曲

I Know a Place

サビはどこまでも広がりがあり、陽性メロディと相まって高揚感を覚えずにはいられない超キャッチーな曲

 

Winterbreak

打って変わって、冷たく哀愁に満ちているミドルテンポの楽曲。ネオンや都会の夜を想像させる。

 

評価★★★★(星5つが満点)