ビートたけしの映画をちゃんと観るのは今作が初めてだったりする。随分昔に観たアウトレイジは大袈裟でド派手な暴力描写があったとの記憶しかない笑

 

桑田佳祐が監督を務めた『稲村ジェーン』を、劇中の音楽は評価するものの映画音楽としてセリフが多すぎるとの批評を下したこと、何やら『HANA-BI』などの作品は高い評価を得ているとの情報のみである(笑)

その他は、バラエティ番組のやんちゃぶりしか知らない状況で鑑賞。

 

 

シリアス部とお笑い部の2部構成というのは、前情報として知っていた。

シリアス部について、これは続くお笑い部のフリになる部分。ビートたけし演じる老いた殺し屋ねずみが手際良くターゲットを殺害していくシーンから、ねずみが警察に容疑者として確保され、覆面捜査官としてヤクザ組織に潜入しての活躍を描く。約30分。

 

ねずみが喫茶店のマスターを仲介役として依頼主からのターゲットの情報が記載された手紙を受け取ったり、自宅では1人孤独に生活する様子を描くなど、僕のマイフェイバリット映画No.1の『レオン』を想起させるシーンがあり、全然観れた。

ツッコミ所として、初見の男を簡単にヤクザが信用してボディガードとして雇うなどの都合良すぎる点は、30分の尺だからしゃあないだろう。

 

 

スピンオフとタイトルが挿入され始まるお笑い部については、先ほどのシリアス部のストーリーをコント風にお笑いを交えて表現。

しかしこれが滑りまくりで全く笑えないのだ(笑)

喫茶店の椅子が壊れて尻餅をついたり、覆面捜査官にかけてレスラーの覆面を付けたり、たけしがねずみの耳を付けてチューって言ったり…。

 

 

たけしもこのくだりをシリアスに捉えて欲しくないのか、はたまた自身でくだらなさを理解したうえでなのか、視聴者がSNSで辛辣な感想を投稿するカットが挿入されたりするけど、これもよく分からん…!

 

正直このお笑い部の30分は、ストーリーは当然シリアス部観てるから分かるので何の真新しさもないし、めちゃ時間長く感じて途中で鑑賞を断念しようと思ったほど。

 

ただし、脇を固める俳優陣は激渋で、たけしのツッコミ役となる2人の刑事役に、浅野忠信と大森尚朋。ヤクザ役に白竜、中村獅童!

 

 

そしてまさかの錦鯉の長谷川、鈴木もぐら、劇団ひとりといった芸人も出演している。皆さん、脚本読んだ時どう思ったんだろう笑

特に、たけし信者であり、同様に監督・脚本家としても活躍する劇団ひとり!

そして、何気にピアニストの清塚信也が音楽担当してる!

 

妻にクソ映画だったわーと報告がてら概要を話すと、「それあなたがストレートな笑いを笑えなくなったから面白く感じないんじゃない?」と言われた。

 

続けて、「今はブラックなネタや人をけなしたりする笑いばかりで、昔のように馬鹿げていて大袈裟な笑いがなくなっているお笑い界へのノスタルジーを表現したんじゃない?たけしはそんな郷愁をこの映画で描いているんじゃないの?」と。

なんか負けた。作品を観てもないし、全然解釈違うかもしれないけど、そういう考えもあるなと妙に納得した自分がいる。

 

 

これ作って評価される訳ないし、現代の視聴者が笑う訳ないと分かりつつ、自分のためだけに作ったたけしの超プライヴェート作品。そう考えれば、なんだか腑に落ちる。

 

評価★★(星5つが満点)