あの日の出会いから10年後、わたし達は結婚することになった。
10年前、美しかった彼は今もまだ美しい。
少し翳りを帯びつつも、鍛え上げられた体に、小さな整った顔。優しい笑顔はあの時と変わらない。
1年前の夏、もしあの時偶然あなたが私を見つけなかったら、今のわたし達はいない。
恐い時や大変な時に頼れる人。守ってくれる人。家族が出来るってなんて心強いんだろう。
信頼しあい、尊敬しつつ、半分の嘘も情も含む、わかりあってるがゆえに期待の無い気楽なわたし達の結婚。
たまにこのまま結婚していいのか気が狂いそうになるけど、あなたのやさしさや笑顔に触れ、彼がどれだけ幸せかを語るたび、
それだけで幸せな気持ちになる。
もし他に心惹かれる人が出来たなら、どうぞ行って下さい。
そんなことでわたし達の関係は今更壊れない。
なぜなら体だけ惹かれてしまう情熱は、そう長くもたないということがわかるほどにわたし達は大人になったから。
今、他にデートしている心惹かれる男が2人いるけど。
若さや楽しい会話、恋が始まる前の駆け引き。
こんな楽しいことを結婚するからってしちゃいけないなんて、誰が決めたの?
もし相手が傷つかないようにと、一途になり、それがお互いを束縛し、諍いの発端になるなら
恋愛も結婚もしないほうがまし。
女は体で嘘がつけないから、肉体関係はそうそう持てないけど。
でも、楽しくデートして、話が盛り上がって、語り合って、お互い何かを高めあい、勉強できるなら
旦那や恋人以外にも出かけるべきだ。
セクシーな会話もうまくかわし、情熱的なくどき文句を跳ね除け、それでも慕ってくれる年下の男の子達。
そしてそれを何もかも許してくれる年上の紳士達。
私に何か起こればすぐに駆けつけてくれる素敵な旦那様。
今私は最高に幸せな女だ。