とうとうこの時がやってきた。

天まで届いてしまいそうなほど強いめくるめく情熱。それが今は氷となって地上へとまっさかさまに墜落してしまった。

お互いを1つずつ知れば知るほどに、恋しくて、離れがたくて、愛しくて。

声が聞けない日は1度としてなく、毎日お互い疲れてボロボロになるまでやりまくり、寝ずに仕事に行きまた会えば止まらないSEX.

今思えば、あれはただの欲情だった。恋に恋して浮かれていただけの。

一目見たときからずっと、2人はいつでも抱き合っていたくて我慢出来なかった。

2人でいる時間が長くなり、干渉、束縛が始まり、やさしさ、思いやりまでもが私を圧迫し始めた。

高価なプレゼント、贅沢なディナー。私よりも収入の少ない彼が見栄を張れば張るほど、無理をすればするほど、どんどん自分がつらくなっていった。

どうやったらこの人はわかってくれる?そんな事がして貰いたくて一緒にいるんじゃないってこと。

デートの度に負担がどんどん大きくなり、とうとう膨れ上がり爆発。

私はいつものようにうまく全ての罪を彼に押し付け逃げてしまった。

最初は楽しかった全ての事が重荷に変わり、男に甘えてる自分が、甘えなくてはいけないという違和感と義務に苛まれ始めた頃、私は全て壊したい衝動にかられつつその機会をうかがっていたのかもしれない。

本当に彼を手放せるのかと悩みながら。

とうとうその日、私は彼のちょっとした態度と言動から作戦を開始した。

すねはじめながら徐々に猫なで声で彼に嫌われるような発言、詮索、静かなヒステリーなどを披露した。

彼はきっと私がキチガイになったと、恐れおののき声が震え、オドオドと居場所の無い子供のようになってしまっていた。

そのうえで正当な理由を使い、彼の荷物を無表情で鼻歌まじりに詰め込んだ後、彼と共に追い出してしまった。あれほど好きだった顔を見ることもせず。

その後に起こった開放感と湧き上がるエネルギーと自由。その気持ちがいいことといったら!!

今まで日常的に行っていた所までもが、喜びにあふれ出すなんて想像も出来なかった。

縛られ始めたら、恋は終わり。

尽くし始めたらもうそれは恋ではなく、下心のある執着なのだ。

短期間の間に全ての事を一緒にやりとげてしまった満足感の後では恋は長続きしない。

今でも彼の声が聞きたくなる衝動に駆られる。

でも、これから先に見えている地獄に踏み込むぐらいなら、寂しい気持ちなんてどうにでも我慢しよう。

しつこく追い回されるぐらいなら、頭のおかしいふりをして去ってもらったほうが精神的にも時間的にも楽。

明日から毎日ちがう男の子たちからの、デートの誘いを受けているので孤独を感じてるヒマも無い。

恋が終わった後、恋してるときよりも綺麗になれる。

だって次の恋が待ってるから。

だから今私はこんなに輝いて幸せなんだろう。