彼といると自分まで素敵になれる気がする。
幸せな環境で恵まれて育った人が持つ、周りを穏やかな気分にさせる独特のオーラ。
彼のすること、話す事すべてを吸収して、少しでもいろいろな事を学び取りたい。
媚びる所が微塵も無く、尽くしているわけでもなく、ただただ行動ひとつひとつに思いやりが溢れてる。
見知らぬ人達への対応も、食事をオーダーする時の知識も、人を気持ちよくさせる会話も。
一緒に居れば多々感じる劣等感と、彼には家庭があることで自分から距離を置いてしまうけど。
本当は彼の為なら駆け引き無しにどこへでも行きたい。
何も考えずお互いを貪りあって、余計な事は聞かず会うたび抱かれる。
のめり込まない様に気持ちをセーブして、それでも体は素直に彼だけを求めてる。
説明する必要が無いほど求めてる事を、彼は私の体を通して知っている。
ウトウトしている彼が一緒に寝てというように、腕枕をしてくるだけで幸せになる。
TVを観ている私を見て、ほくそ笑みながらI podで私の好きな曲をかけ始める。
私は愛おしくなりTVを消す。そして一緒に音楽を聞く。
彼は歯を磨きながら。私はベッドに寝転んだまま。
ただそれだけの事で、なんて幸せなんだろう。
昔付き合っていたあの頃は、お互い自由だったが故に、意地を張り合い、駆け引きをして
二人でいて楽しい思い出はあったけど、こんなに幸せを感じる事はなかった。
その後大人になり、再会。限られた時間を幸せいっぱいに凝縮して愛し合う。
他にもたくさんいるであろう、彼の恋人達の内の一人だとしても。
私のそばにいつもいてくれるあの人が、悲しんだとしても。
きっと私は彼に呼ばれたら、断れずに走っていくだろう。
彼が私の存在を消去してしまうまでは。
今日飛行機で飛び立ってしまった年下の彼は、きっと私がこんなに彼のことを考えてるなんて思いもよら
ないだろうな。
２ヶ月会っていなかった元婚約者と昨日久々に会い、完璧に終わった。
結婚を決めた直後から、ひどいマリッジブルーになりストレス急増。
そんな中、何年かぶりに元彼と再会。
彼とのめくるめくようなセックス。
別れた後も、もう一度味わいたかった。
なので、その日の内に素敵な夜を過ごし、次の日に彼は機上の人。
やはり彼は最高だった。
二人のプライベートに関しては何も聞かず、ただ一緒にいるときを楽しみ、際限なく甘やかしてくれる年下の彼。
すっかり紳士になって戻ってきた彼とは、結婚などせず生活感も無い、甘い時間だけをずっと楽しみたいと思っていた。
ひょんなことに、今日彼が結婚していたことに気が付いた。
ショックはそれなりにあったけど、これぞ私が彼に求めていた完璧な関係になったことを考えると複雑。
もちろん彼は私が気が付いたことをまだ知らない。
彼と過ごした最高の夜の記憶が日に日に薄れ、誰か新しい人でも探したほうがいいかな？当分会えないし。
なんて考えてもいたから、やはり人生とは自分の思うとおりに動いていくものなんだと実感。
彼には何も伝えず、しばらくフェードアウト。
付き合ってるときから、売春婦を呼ぶような。
甘い顔して悪いことをする彼だったから、驚かないし、きっと奥様もそうであろう。
彼ほどの地位もお金もある、悪い男がもてないはずないし。
とりあえず、次のめくるめく夜のことは忘れて、今は大好きなビジネスに集中しよう。
２日間で、２人の男をいっぺんに清算出来て、逆に良かったと言ったら強がりに聞こえるのかな。
