国境
地球の裏側の、
見知らぬ国境にある、
名もなき町の、さらに町はずれで。
ただ一人とりのこされて。
夕暮れの中、辺りは闇に吸い込まれてゆき。
敵意と、屈辱と、いやな匂いのする汗にまみれて。
不安で引き裂かれそうになる心と。
悪意のこもった視線のなかで。
ただ、一人。
絶対に、完全に、疑う余地もなく。
ただ、一人。
助けを求めて、弱みを見せれば、
そこを狙い打ちされるだけ。
ここは、「野性 の王国」。
弱い者から、食べられてゆくのだ。
僕は、人生についての多くをそんな場所で学んだ。
結局のところ、僕を助けることが出来るのは。
僕自身でしかありえないのだ。