「ねぇ、訊いていい?」
「はぁ。」
「一誠くんだよね?」
「えぇ。」
「僕はあなたの3年後の人間です。」
「まじすか」
「マジです
まぁ、今この瞬間は、最近1週間の記憶しか持ってないけどね」
「じゃあ訊いていいですか?」
「何?」
「右太ももにミミズ腫れ、ありますか?」
「これだろ」
「左手首のは?」
「これだろ?
他に訊きたい事は?」
「3年後って、俺なにしてるんすか?」
「くっだらない仕事」
「卒業できたんすか?」
「まぁ、一応。」
「一応?」
「もしかしたら、退学っていう卒業かもねww」
「そこ大事だろ、教えてよ」
「ここ1週間の記憶しかないつったろww」
「覚えてないのかよww」
「まぁ
今日はそんなくだらないこと話しに来たんじゃないの」
「何しにきたの?」
「いやー、実はね、仕事でミスしてさ
だから、3年前の俺に頼みごとをしに来たんだよ。」
「なんで今の俺なの?」
「元凶がお前なんだよ」
「ふむ」
「お願いだから3年前に戻してくれ!って神社で拝んでみたらさ
3年前の自分と話すことだけ認めてやるって言われたのよ」
「ふーん、で、俺はなにをすればいいわけ?」
「コンスタントに物事をこなせるようになってほしい。
いつかやらなきゃいけない、って思ってることを
すぐにできる人間になってほしい。」
「禁煙しなきゃとか、勉強しなきゃとか、免許ほしいとか、掃除しなきゃとか?」
「そゆこと!」
「じゃなきゃ、将来の俺が困ると。」
「そゆこと。
いいこと教えてあげようか」
「なに?」
「俺もさっき神社で教えてもらったんだけどさ
すでに、10年前に戻りたい!とか言って、3回くらい戻ってるらしいよ」
「mjk」
「mjd
ついでに、周りのみんなもね」
「へぇ」
「たとえばねぇ…
英語塾の先生も俺くらいの年のときに一回戻ってるし
2年くらい前の彼女も40年前から戻ってきてるし
なんと、兄貴も今回で6回目の21才を迎えるんだよね」
「へぇ…」
「今でもたまに思うだろ?
あの時に戻りたい、って
くだらない欲望や自業自得のときは基本戻れないんだけどさ
条件を満たしてれば戻れるらしいよ」
「じゃあ、あんたが戻って自分でやれよ。俺はヤダ。」
「実はね、この時期に3年前に戻りたいって思うのが2回連続らしいんだよ」
前回は結局なんにも変わらなかったらしいね。」
「なるほどね」
「いいか、今、お前が居るこの状況は
10年後、20年後の自分が
あのころに戻りたいって必死で願って
戻ってきたところなんだよ
そう思ってちゃんと生きろよ」
「お前できなかったくせにwwww」
「ふざけるな。
自分ができなかったから言うんだ。
親が、自分が小さいころにやらなくて後悔したことを
子供のお前に叱るんだ」
「お前俺の親じゃないけどな」
「でも、そういうことだよ」
「なるほどね。」
「よろしくな」
「いいよ、分かった。」
「とりあえず一緒にタバコでも吸おうかww」
「なんか感無量だなww
未来の自分と一緒にタバコww」
「ねぇ、訊いていい?」
「なんだよ」
「俺と同じ場所にもピアス空いてる人とは、どうなってんの?」
「どうもなってねーよ」
「その人のこと大好きだったじゃんね」
「まぁね」
「今も好きなの?」
「さぁね」
「どうもなってないってことはないでしょ?」
「どうもなってないよ?」
「特に大きい進展はしてないって事?」
「最近はね」
「そうなんだ」
「これからどうなるのかは
結局、すべてが自分次第だと思う?」
「ネガティブに俺のせいだと思わずに
こうしたいから頑張ろうとポジティブに思えるなら
全部自分次第だと思っていいんだと思う
俺も頑張るから
あんたさんも頑張ってよ」
「ねぇ、訊いていい?
今、どっちが質問してたの?」
*