それは薄ら寒い木曜の午後の事でした。

鬼島はいつものように酒池肉林の放蕩三昧。街でみかけた3人の百姓を余興で処刑していました。

そこへ家臣の猿助が近づき、こう告げました。

「殿。実は城下で妙なうわさが立っておりまして・・・」

庭では百姓が叫んでいます。

「お・・お殿様!!オラが何したっていうんだが!!や、やめてけろ!!ひぃぃぃいいい!!死にたくねぇ!!たのむ!やめてけろ!!おとのさまああああああ!!!!!ああぎゃああああああああ!!!!!」

鬼島は3人目の百姓の首が跳ねられるのを見ながら言いました。

「前置きはいい。何だ?」

「は!実は本土にいる桃太郎なる輩が、殿を切ると公言しなにやら画策している様子だとの事でございます。むろんその者はしがない老夫婦の倅という事ですが、なんでもその夫婦が拾ってきた桃から生まれたのだと自分の事を吹聴しているようでして・・。まあ頭のおかしな野郎でございます。」

鬼島はうっすらと口元に笑みを浮かべ言いました。

「ほう。なかなか面白い話ではないか・・・。ちょうどわしも腐れ百姓の処刑なんぞ飽いておったところじゃ。猿。おまえその桃太郎とかいう馬鹿の事を詳しく調べてまいれ。」

そこで猿助は雉男と犬郎と従え、本土へと渡る事にしました。

「いいか。お前達。桃太郎には決して我らが鬼島様の家臣だという事を悟られてはならぬ。此処からは別行動で奴に取り入るのだ。」