貝印の桃色カミソリ
あたしは恵まれてる
何度も何度も言われた事だし 自覚してる
優しい友達や先生に恵まれたし頭は良くないけど
それでも頑張ろうと力を入れた受験や検定には
全て合格してきた。
(頑張らない最近のテストはボロボロだけど･･)
家庭環境は他とは少し違ったけど
私より辛い環境の子ってたくさんいるんだろう。
小さな出来事から 歳を重ねるごとに自分の中で
大きな出来事が起きていった。
ついには命に関わる事まで。
昨日は日曜日だから学校はおやすみ。
お昼ごろ喘息の発作がおきて息苦しさに目を覚ました。
吸入器を使ったんだけど 副作用の怠さ 動悸 震えにダウン。
横になっていたんだけどそれが悪かったのかもしれない
具合の悪さに伴って気分が堕ちていった。
そんな時っていつも余計な事を考えてしまうもの
秒針の音と電化製品のモーター(?)の音が
鬱々した気分に拍車を掛けて 寂しさと孤独が襲ってきた。
そうだ そばに友達はいても どこか私は一人だった
上から見たらきっとぽつんと私は 輪から外れてる
時々感じる壁 泣きたくなるの けど一人は嫌だ
もともとポジティブな性格ではなかった。
だけど ここまでではなかったような気がする。多分･･
なんにも関係ないことのような気がするのに
あの出来事はあの記憶は私を壊した
関係ないようなところにも影響を及ぼした。
薬 効かない。
手に取ったのはカッター 思うような切れ味じゃなくて
だけど刃物はそれだけで たまらなく苛々した。
結局30本以上の傷。
日中過ごす中で 何度か傷が開くのが分かった
出血したのも分かった 痛い痛い痛い
だけど心が痛いよりはずっとまし
相談室には行かなかった というか行けなかった。
最近はいつも誰かがいるし 一度拒否されるともうだめ。
担任の先生だって 就職試験や受験で大忙し
とてもじゃないけど申し訳なくて話す事なんてできない。
リスカ アムカにはカッターとはさみしか使ったことがない
今日初めて貝印の桃色カミソリを買ってみた
よく聞くからどんなものかと思って。
それから 傷を隠すためのサポーターも。
切らなきゃどちらも必要ないものなのにね
寂しくて仕方がない
本当はこんなのに頼りたくない､､と思う。
迷惑じゃない程度に人に頼る事ができれば。
一瞬の出来事だったけど 暖かかった 安心できた 嬉しかった
そんな事があったから 一人は余計に寂しいのかもしれない
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沙良