今、君に心から伝えたいことがあるよ—。

お願いだから、幸せになってね。
どの立位置からで構わないから
私は君の笑顔を見ていたいよ。

本当は恋人になりたいけど、
今の距離も少し気に入ってるのも、
たしかなこと。

君を取り巻く全てが
やさしさで溢れるように、
そう願い、あの歌を口ずさむ私。

大それたことを言うと、
あなたの幸せが私の幸せである。

今日もあなたのために
空が晴れて欲しいと願う。

そんなチイサナシアワセがいつまでも続けば良いと思う。

そう、今は思うの。
私達の出逢いは10年以上も遡る、
高校の入学式。

校門をくぐり、
正面玄関に掲示されたクラス分けの紙を凝視する。

私は7組だった。

同じ中学から一緒に進学した友達は一人も居なくて、
不安を覚えた。

教室のドアを開け、
教室を見渡すと君は居た。

「あの人、カッコイイな」が私が彼に抱いた第一印象だった。

高校の入学に際し、不純な幻想を抱いていた
あの頃の私を思うと本当に照れくさくなる。

自分の席を見つけ、
私を睨んでるような男子が居たのも
強く覚えている。

あの頃を思うと、
変な気持ちになる。

その頃から私はネガティブだったんだと思う。

出席番号順の座席割りで
あの人は私の隣の隣の隣。

横並びだったのもあったが、
「私とでは釣り合いもとれない」と
あまり顔も見れずにいた。

それが私達の出逢い。

その約10年後、
私は彼に恋をした。
好きになれば、なる程に、
もし想いを伝えて、うまくいかなければ、
傷付き方もその絶対値の分だけ、
値を高めてしまう。

これが恋愛に於ける負の正比例なんだ。

もう何度も、何人の人を好きになっても、
このスパイラルだけは慣れられない。

慣れたような感覚を味わえたなら、
私はその人のことを好きなのか疑ってしまうのだろう。

こんなネガティブな考え方は出来ればしたくない。

したくはないけれど、
してしまうのは仕方がない。

きっとこれが私の性分なんだ。

真夜中、
最後のタバコに火をつけ、
窓の外を見渡す。

静かだ。

アパートの前は私道になっているから、
「閑静な住宅街」という表現であっているだろう。

遠くから聞こえるサイレンの音を合図にするように、
私はタバコを消し、窓を閉めた。

台所で口を濯ぎ、
水を一杯飲む。

ベッドに横になり、
携帯に目覚まし時計を掛ける。

あの人が夢に出て来ることを願いながら、

誰でもない何かに
「オヤスミ」を告げて私は目を閉じる。