天童荒太氏の「悼む人」読了。

重い内容のためか、文体が重いのか、

前半はなかなか進まず。

私ごとですが、1分に1ページ読む速さが、

通常の自分のペース。

すなわち、通勤30分なので、30ページ。

ほぼ間違いなく。

しかしこの本は、23ページほどの進み方。

電車のドアがあきしおりを前回挟んだところから

読み終わった部分まで移動させる。

これ結構楽しみ。達成感あり。

それが、23ページ。

悔しいんだよね。なんか。


ペースの話はいいとして。ほんとにどうでもいい。いい加減にしてくれ。


この本は素晴らしかった。

思いつきはまず突拍子もない。

無職で死者の現場を渡り歩き、変なポーズで祈る、無宗教の若者。

しかも、故人のプライバシーを近所に聞き回る。

とんでもない悪趣味な人間である。

しかし、彼は続ける。何年もとりつかれたように。

彼のそうする理由は、あまり深くない。

しかし、周りを取り巻く者たちによって、彼の行動が薄い膜が晴れるように

なんとなくわかる。わかるというより、感じる。

これはいまもって言葉にできない。

この本で受けた感動を、相棒に話してみたが、

なんとも間抜けなアウトラインとなってしまった。

もともと何かの説明や要約は下手な僕だが、これはひどい。

要は読んで感じる物語なのだ、おのおのの心に影や光を漠然と

落とす小説なのだ。説明をあまり許さない。

天童荒太氏は相当骨を砕いて執筆したらしいが、

それだけの素晴らしさがあった。