タイムボックスミュージシャン | 透明な濁り Transparent impurity

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トム・ウェイツの【Orphans】を聴いとります。三枚組の未発表曲集。
まあ新作は既に販売されているので、厳密には未発表ではないんだけどね。
2006年リリースを6年後に新鮮な気持ちで聴けるのはいいなあ。もっとも、このアルバムの音源の録音時期ってまちまちらしいから、ますますちょっとしたタイムマシーンのようだ。

音楽と文学って、その時代を反映するものではあるけれど、時間が経過した後でも楽しめるのがいいですね。資料的な意味合いではなく、そのアーティストがその時にどんな感情で奏でた音、歌った声なのかってのが封印されているから。ある意味での呪いの具現化であり、祈りの具現化でもあるのでしょうな。


酔いどれ詩人と呼ばれるトム・ウェイツですが、なんとなくポーグスもそんな感じで呼ばれてなかったっけ?と調べてみたら、それと同時に黒澤明さんの映画のタイトルなのな。そりゃあ聴いたことがあるはずだわ。黒澤作品でまともに見たことがあるのは【生きる】だけなんだけど、ちょっと洋画/邦画問わずに名作と呼ばれるものも観てみようと思いました。


ただ、こう昔の邦画ってなんとなく観る気にならんのような。昔の俳優は凄かったとか、その頃の監督はアイディアがどうのこうのっていう話を映画ヲタクさんらがドヤ顔で語っているのが厭なの。思えばクラシックもジャズもそうだったけど、それが嫌いなんじゃなくて、その周囲に群がる魑魅魍魎が嫌いなんだな。まあ自分だって音楽に関しては同じ穴の狢のようなもんで、同族嫌悪なんかもしれんが。


ああ、トム・ウェイツの音楽を聴いていると、度数の強いアルコール飲みたくなるな。残念ながら自分は下戸まではいかんけど、アルコールに弱いので(アトピーなので酔うと体中が痒くなるし)そうそう飲むわけにもいかんのだけれども、こう音にやるせなさだとか、ブルース、憂鬱や鬱屈が宿っているのってすげえなあと思います。ソウル・ミュージックとか、ジャズなんかは恋人と睦みあいたくなる音らしいが、ブルースはやはりアルコールなんだなあ。


酒も飲めぬので、せめて酔っ払った雰囲気だけ味わって眠ろう。