3 全日本キッズ/ジュニア修斗選手権大会

Jr.BORDER ACT.18


20191013日(日)


エディオンアリーナ大阪


今回で第3回目となる全日本キッズ/ジュニア修斗選手権大会。

今回台風の影響も心配される中、無事に開催する事が出来た。

西は沖縄、東は東京から多くの強豪選手が参加した熱戦の模様をいくつかピックアップし、レポートする。


キッズ1 20kg級では元・修斗フェザー級チャンピオン松根 良太代表を父に持つ松根浩人選手(パラエストラ沖縄)が巧みな十字を駆使し優勝。最年少全日本アマチュア修斗チャンピオンの記録を塗り替える逸材として今から楽しみである。


キッズ2 24kg 松尾 晃弥選手(総合格闘技道場BURST)が打撃とタックルを同時に入る近代MMAスタイルで勝ち抜き、決勝では名勝負数歌、ライバルの坪田 璃一選手(総合格闘技ゴンズジム)をバックチョークで切って落とし、ライバル対決を制すると共に全日本2連覇を達成した。


キッズ4 28kgを制した辻 礎楽選手(トリニティ・サンズ)は圧巻の全試合十字による一本勝ち。

最後は同門対決を制し優勝を決めた。このカテゴリーでは頭一つ抜けた存在となり、他の選手の追い上げが期待される。


キッズ4 32kg級 関東から遠征の青木 凰夏選手(AACC)は空手の飛び込みとレスリングを融合させたスタイルで一本勝ちを量産。

後々、顔面有りのアマチュア修斗ルールにもスムーズに移行出来そうなスタイルなだけに今のうちから関係者は注目しておくべきであろう。


キッズ 40kg 貞岡 毅龍選手(総合格闘技ゴンズジム)は昨年のチャンピオンとしての風格を見せ、2連覇を達成。

不器用ながらも、諦めない愚直なスタイルに風格が加わり、更に一皮剥けた印象である。


キッズ6 36kg 決勝で同門対決を制した住村 斉明里選手(トリニティ・サンズ)。

キッズ修斗の女王として長きに渡り活躍していたが、近年男子選手のフィジカルに苦戦していた印象が強かった。

しかし今大会、積極的な極めに加えテイクダウンも加わり、冷静な戦いぶりと戦略で男子選手を攻略。

一皮も二皮剥けた彼女に対抗する女子選手が現れるのか?

ジュニア修斗に参戦する彼女も楽しみである。


キッズ 44kg 4兄弟で出場の柔術の強豪 高本 哲至選手(高本道場)は柔術仕込みのグラウンドテクニックで強豪を撃破。

関東の大会続き、全日本も制してみせた。


ジュニア修斗 65kg 関東より出場の下田 凛太郎選手(総合格闘技道場DOBUITA)は師匠である長岡代表ばりのフィジカルを駆使し、初出場で優勝を果たした。


全体としては、毎回の事ではあるが各ジム共に著しい技術の向上が見られ非常にレベルの高い攻防が多く見られた。

中でもディフェンス技術やエスケープ能力の向上、特にバックの逃げの上手さが見て取れた。

逆にバックキープの方法など、まだまだ改良の余地があるように感じられ、次回大会以降攻防のキーになるのではと勝手に思っている。


大会の最後には、パラエストラ沖縄 松根 良太代表より総評と夢を持つ事の大切さについてお話し頂き。

きっとそれを聞いていた子供達の胸には深く残ったのでは無いかと思う。

(余談だが、自分自身のアマチュア時、大会最後の挨拶で松根代表がその様な内容の話をされており胸に刺さった事が思い出された)


ハイレベルな戦いが繰り広げられた今大会ではあるが、それ以外に強く心を動かされたものがある。


それは子供達の『優しさ』の部分である。

試合時には勿論、勝ちに行っているのだが、一度試合が終われば相手を思いやれる、周りの人を思いやれる。

そういった場面が多々見られた。

素直に皆んな『滅茶苦茶イイ子』だと思った。


昨今、子供達だけで無く、大人でも耳を疑う様な心無いニュースが報道されている中、ほんの一部分ではあると思うが格闘技って素晴らしいなと純粋に感じた。


この先格闘技を続ける子、別の道を歩む子。

既に競技を辞めていった子、色々な関わり方をしている子供達がいると思います。

別に辞めてもいい、頑張って続けてもいい、

ただ格闘技と関わった事のある子供達の人生が少しでも幸せであれば良いと強く思っています。


今回は台風という大変な時期にも関わらず御参加して下さった選手の皆様、各道場関係者の皆様、御父兄の皆様、皆様のお陰で素晴らしい大会になりました。


どうかまた今後とも子供達の輝ける場所の為にも宜しくお願い致します。


 Jr.BORDER振興会   小堀 貴広