2017429日(土)


神戸市立王子スポーツセンターにてJr.BORDER ACT.11が行われた。

今回で11度目となる今大会、過去最高とも言える熱戦の様子をレポートする。


大会を重ねる毎に技術レベルが高くなってきているのは当然ながら、今回は特に総合的なレベルアップが見受けられ、子供達の世界も新たなステージに進んだように感じられた。


例えば、以前は「極め」など何れかの一芸に秀でた選手が勝つ事が多かったが、前回大会より飛躍的なディフェンスレベルの向上により一本による決着が激減していた。


そして今回、日々の練習による出場者全体の「総合力」そして「キワ」での強さ感じられ、近代MMAへと進化して来た総合格闘技の歴史そのものを追体験しているような感覚に襲われた。


今大会の決まり手としてバックチョークが増えたことからも、トップ、コントロール、スクランブル、バックチョークと言った近代MMA的進化を感じさせられる一因となった。


特に今回注目したのは、総合格闘技道場BURST 長谷川琉偉選手。

広島と言う遠方から出場ながら、所属道場直伝の何処からでも極めを狙うスタイルで一本勝ち。

初出場ながら次戦も楽しみな選手である。


また柴田"MONKEY"有哉選手率いるチームKIZUNA の澤田考希選手は師匠譲りの身体能力を活かしたスタイルで観客の目を引いた。

同道場の選手は今大会の中でも特に礼儀の正しさ、挨拶の大きさ等が素晴らしく、個人的には今大会ベストチーム賞(非公式)を授与したいと思う程であった。

若き指導者、柴田選手の指導力には脱帽である。


他にもディフェンス、パス、極めと高い完成度を誇る パラエストラ東大阪 島田太陽選手、必殺のダイヤモンドクラッチを武器に恐らく国内最強レベルの女子選手 トリニティサンズ 住村 斉明里選手、伝統の直心会スタイル継承者 亀井兄妹 亀井修真選手等々、いっそのことキッズの選手名鑑でも作ろうかと思うぐらいの選手の充実ぶりである。。


そして忘れてはいけない2選手。

Jr.BORDERを代表してプロのリングで戦った、修斗GYMS直心会 吉井龍城選手、総合格闘技ゴンズジム 貞岡愛哉選手。

プロの興行を経験した両名の戦い方からは貫禄すら感じられ、頼もしい限りであった。


グラップリング部門ではプロシューターを父親に持つSCORPION GYM 須田兄妹、特に姉の須田萌里選手はJr.ではあまり使い手のいないスイープを武器に一本勝ち。関係者大絶賛の選手であった。


他にも安定のパスガード、極めの強さを誇る 西神BJJ 谷口健人選手。Jr.BORDER超常連 徳島の元気っ子 安芸志隆選手。

ダンスから格闘技までこなす、亀井兄妹 亀井美梨愛選手。

嬉しい初一本勝ち、総合格闘技ゴンズジム 貞岡毅龍選手等々。


両部門とも過去最高の盛り上がりを見せ、尚且つ事前の計量でも一人の失敗者も出なかった事は大きな進歩だったと思う。


そして個人的に、最年長アマチュアシューター沖本さんが、最年少シューター達の試合をレフリーとして裁く姿に心に来るものがあった。


大会後の表彰式では、大会委員長である北川代表が、土井集伍選手(ゴンズジム)に渡すトロフィーを落として壊すと言ったハートウォーミング(?)なワンシーンも。

キチンとゴメンなさいしました。


大会進行も過去最速であり、参加して下さった方々、大会に携わって下さった皆様のご協力無しには実現出来なかったことと思います。


この場をお借りして御礼申し上げます。

本当にありがとうございました。


また次回、灼熱の王子スポーツセンターでお会いしましょう。


〜番外編〜


キッズ達の試合の翌日、430日(日)大阪日本橋 BLOWS」にてビギナー修斗&グラップリングチャレンジマッチが行われた。

スペシャルエキシビション等も有り、大変な大盛り上がりを見せた同大会。

勿論若手の出場者も見受けられたが、多くの壮年の出場者が見受けられ純粋に格闘技を楽しんでいる姿が印象的であった。

格闘技である以上、危険はゼロでは無いが、「試合の翌日元気に出社出来る大会」をコンセプトにした中蔵代表の思いを体現した素晴らしい大会であったように思う。


この二日間を通し、幅広い年齢の人達の様々な形での格闘技との関わり方を見、ここまで格闘技が広がった事に純粋な感動を覚えた。


偏に格闘技普及に力を注がれた先人達の努力の結果であり、自分達も大切に次の世代に繋いでいかなければならないと痛感した。


最強より最良、この競技の益々の発展を祈って。


Jr.BORDER振興会 

現役プロシューター 小堀 貴広