前回、遠藤は現れたおばさんが昨日とは別人であると確信。
そしてカイジの母親が外出したことで、突入への障壁は消滅しました。
いよいよ攻めの一手、カイジ狩りの決行です。
夜班、深夜班に加え、前回で昼班の二人も到着したため、計7人で万全の態勢を敷くこととなりました。
まずはベランダ側の見張りを2名に増員し、突入時の裏からの脱出を防止。
さらに、一名を昇降口前の角に配置しました。
これは向かい側の34号棟の住人に、突入時の言動を目撃されないための措置です。
残る遠藤を含めた4人は、合図があるまで車内で待機。
その間・・・遠藤は確保、拉致の心得を語り始めました。
最大の肝となるのは、無音。
カイジの確保自体は4人がかりなら難しい事ではありません。
しかし、万が一騒ぎを起こされたり通報されれば、周囲に野次馬が発生し、警察も絡むため白昼の拉致は困難となります。
とはいえ・・・前回も綴ったように、カイジはギャンブルによって大金を得たという疚しい事情を隠しています。
本来は警察を呼びたくは無いでしょうが、考えてみればそれよりも帝愛に捕まる方が一貫の終わりか。
今後は生涯地下住まいかもしれませんからね・・・。
なるほど、背に腹は代えられないとなれば、通報を決断する可能性もあります。
それを避けるには、突入後に即猿ぐつわで黙らせるしかない。
つまり、接近する気配を悟られてはいけません。
階段移動、ピッキング、そして侵入をひたすら無音で遂行する必要があります。
3秒かけず封殺 拘束 確保
遠藤の話では、猿ぐつわと同時に鼻もつまめば、相手は一言漏らすのが精いっぱい。
次の息が続かないとして、具体的な拘束方法を教えました。
また・・・昇降口前の角にいる男に電話を掛け、もしもピッキング中に住人が帰ってきた場合は知らせるように追加で指示。
そして突入するうちの一人を、ピッキングが終わるまでは携帯電話に耳を傾ける係としました。
そして4、5階の住人が下りてくる可能性はほぼ皆無。
なぜなら、この手の団地にはエレベーターがありません。
住人の負担を考慮し、お年寄りは下の階、若者は上の階に割り当てるのが暗黙のルール。遠藤はそれを知っていました。
実際はイラスト上のフルフェイスに当たる保も20代ですが、どちらにせよほぼ弾切れ。
世帯主以外のお年寄りが降りてくる可能性はありますが、そこまでの不確定要素まで気にしていては行動できません。
最後の一片を埋めるのは神頼み。それがガチなのです。
拉致はつまらないイレギュラーによって簡単にしくじるもの。
ただ・・・その原因が運にあるのであれば、遠藤には自信がありました。