肩の疾患は外傷から慢性疾患まで本当に様々ある。
当院はスポーツ外傷(障害)を得意分野とし、日々診ているが慢性疾患も稀にある。
その代表格は五十肩。
五十肩の定義はこうだ。
原因不明の肩の痛み(疾患)の総称。
そう、原因不明なのである。
ちなみに、四十肩という言葉を耳にしたことがあると思う。
むしろ五十肩よりも四十肩の方が有名かもしれない。
広告やチラシなどでもこの四十肩はよく使われる。
整形外科ですら四十肩を使う。
しかし・・・
医学的に四十肩は存在しない。
言葉自体が存在しない。
30歳代に発症しても70歳代で発症しても、原因不明の肩の痛みは五十肩が医学上の診断名なのだ。
もし貴方が、整形外科や接(整)骨院、整体やカイロ、鍼灸院などの施設で、またはトレーナーに「四十肩」と言われたら素人だと考えてもいいだろう。
40歳代女性の患者様。
両肩の痛みと手指の軽度の痺れ感を主訴として来院。
整形外科を受診した際に四十肩と診断される。
湿布と痛み止めを処方され、使用するも疼痛緩和せず。
手指の痺れが気になり徒手検査を行う。
モーリーテスト→陽性
ルーステスト→陽性
アレンテスト→陽性
これは五十肩ではなく、ましてや四十肩でもない。
胸郭出口症候群である。
3つのテストは簡単に行える。
柔道整復師の養成校でも勉強する内容だ。
レントゲン撮影をし骨に異常が診られない、だから五十肩とは何とも安直な診断なのだろうか。
さすがは5月に地元の老舗総合病院から独立開院した、毎日混雑している人気の整形外科医である。
医師を養成するのは医大。
医大の、整形外科部門が情報や知識をアップデートしないから、そこで指導を受けた整形外科医がこうなる。
捻挫にギプス固定。
ろくに検査もせずに五十肩。
他にもまだまだある。
整形外科は検査機関と前にブログで書いた。
その検査機関が、柔道整復師でも分かる疾患を分からないとか、その存在意義を考えてしまうのは私だけだろうか。