月・太陽の引力、震災に影響か | あなたの心に届ける詞

月・太陽の引力、震災に影響か


月・太陽の引力、震災に影響か 「最後に誘発」の可能性

朝日新聞デジタル
記事2012年12月18日09時56分

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地震が起きた時間帯の割合
 【杉本崇】月や太陽による引力が東日本大震災発生の「引き金」になっていた可能性が高いことを、防災科学技術研究所の田中佐千子研究員が明らかにした。東北沖で36年間に発生した地震について引力との関係を調べたところ、2011年の震災が近くなるにつれ、引力の影響が強いときに地震が集中していることがわかった。

 引力の影響が強いときに地震が頻発するのは、エネルギーがたまった断層に力が加わるためと考えられ、引力の影響と地震の頻度を調べることで、巨大地震が迫っているかどうかが分かるかもしれないという。

 月や太陽の引力によって、地球は伸び縮みを1日2回繰り返す。地表面が20センチ程度上下し、地震を起こす断層にも影響している。その力はプレートのひずみと比べ1千分の1程度と小さいが、田中さんはこの力に注目。東日本大震災を引き起こした断層のある長さ500キロ、幅200キロの地域で、1976~2011年に起きたマグニチュード(M)5.0以上の地震約500回分を分析した。
 76年から約25年間は引力と地震の発生に関連はなかった。しかし、東日本大震災が起きる前の3千日間では相関関係がみられ、引力による力が断層の動く方向に強く働く時間帯に地震が起こりやすくなっていた。
 2004年や07年に起きたスマトラ沖地震でも、地震が近づくほど同じような傾向が見られた。田中さんは「巨大地震が近づいてプレートにひずみがたまると、わずかな力が『引き金』になると考えられる」と話す。




これから その研究をつづけて実際の防災に活かしてくれることを期待したい