4号機 未使用燃料を試験的に取り出すワケ
2012年07月19日11:03に投稿
4号機 未使用燃料を試験的に取り出すワケ 「腐食していると破損しやすくなっている 落さなくても燃料棒が壊れたり中から希ガスが吹き出す」小出裕章7/18(1)
2012年7月18日(水)、小出裕章氏が、毎日放送「たね蒔きジャーナル」に出演。
4号機で未使用の燃料が試験的に取り出されている理由について説明しています。
▼20120718 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章
=====
水野「京都大学原子炉実験所助教、小出裕章さんです。小出さんこんばんは~」
小出「こんばんは」
水野「よろしくお願いしますー」
小出「よろしくお願いします」
水野「そして東京には近藤さんですー」
近藤「ああこんばんは。よろしくお願いしまーす」
小出「はい。近藤さん、こんばんは。よろしくお願いします」
水野「え…まず、福島第一原発4号機のプールから燃料棒1体が初めて取り出されたと。いう話で伺いたいんですけれども。」
▼福島第一原発4号機から燃料棒取り出し 事故後初(12/07/18)
小出「はい」
水野「これ…今回はですね、試験的にまだ使用していない核燃料が取り出されています」
小出「はい」
水野「ただこの、使用していない核燃料というのは比較的、安全…だということですが」
小出「はい」
水野「どれくらいのものなのか。放射線量というのはゼロ…なんですか」
小出「え…ゼロではありません」
水野「ほお…」
小出「え…使用済み前…燃やす前の燃料というのはもちろんウランなのですが。」
水野「はい」
小出「え…ウランというのは、放射性物質ですから、もともと放射線を出します」
水野「はい」
小出「え…ですから、安全ということは無いのですが」
水野「はあ…」
小出「え…ん…ガンマ線という放射線が透過性が高いのですが」
水野「ふむ」
小出「ウランという原子核はガンマ線に関しては、大変微弱なガンマ線しか出さない、のです」
水野「ほぉ…はい」
小出「ですから、え…それを体の中に取り込んだりしない限りは、ほとんど危険がありませんし、え…燃料棒という形ですでにその金属のパイプの中に閉じ込められていますので…え…大きな危険があるというものではありません」
水野「なるほどー」
小出「はい」
水野「だから今回はまず試験的にこの…未使用の核燃料を取り出したわけで」
小出「そうです」
水野「こう…誤って使用済みの核燃料を吊り上げないように、クレーンで吊り上げないようにと、注意しているということなんですが」
小出「はい」
水野「ま、もし誤って使用済みを釣り上げるとどうなるんですか」
小出「え…周辺の人がばたばたと死ぬと思います」
水野「ああ…今日公開されている映像ですと30人ほどの」
小出「はい」
水野「作業員の方がもうすぐそばで」
小出「はい」
水野「え…まあ作業して、したり、見守ったりしてるわけですけども」
小出「はい」
水野「そういうところにいると、お一人ではなく次々に…」
小出「はい。ただ、あのすぐに分かると思います。え…釣り上げてくる途中で、」
水野「ほお」
小出「え…周辺の放射線の線量がどんどん上がってきてしまいますので」
水野「はあ…」
小出「え…使用済燃料プールは10メートル以上の深いプールなのですが」
水野「ええ、ええ」
小出「そこからどんどんどんどん水面近くに引き上げてくるにしたがって、もしそれが使用済みの燃料であれば、え…プールの上の空間の線量率が上がってきてしまいますので。容易にわかります」
水野「はあー。あ、水の外に出すまでに」
小出「はい、はい」
水野「水の中で近づいただけでもう線量上がるんですか」
小出「はい。もう、簡単に上がってしまいます」
水野「はあー。じゃ、それほどの線量のきつい使用済み核燃料をこれから先、どんなふうに釣り上げて、どこへ出して」
小出「え…はい」
水野「どうするんですか」
小出「これからは、今回やったようなやり方ではもちろん、釣り出すことができません」
水野「はい」
小出「まずは、え…使用済燃料を収納するための巨大な、私達がキャスクと呼んでいる、」
水野「はい」
小出「金属製の容器…鋼鉄と鉛でできている容器ですが。それをプールの底に沈めます」
水野「まず、プールの中に沈めます。」
小出「はい。その容器の中に、使用済みの燃料を、え…水の中で吊り上げて、また容器の中に格納します」
水野「はあ…はい」
小出「そして、蓋を閉めます」
水野「はい」
小出「え…そうして、キャスク全体、100トンを超えるような、巨大な容器なのですが。」
水野「ええ」
小出「それを、水の中から空気中に引き上げるということをやります」
水野「けして空気には触れさせないで、」
小出「はい」
水野「水の中で作業をしてキャスクに入れて
小出「はい」
水野「そしてそのキャスクを釣り上げて、それ、どうするんですか」
小出「えぇ(苦笑)。それからが難しいのですが。え…ん…東京電力もそれをどうするか多分考えてるはずですが。」
水野「はい」
小出「すぐとなりに共用の使用済燃料プールというのが有りまして。すでに6000体か7000体ぐらい入っているまあ大きなプールがあるのですが。」
水野「(苦笑)はい」
小出「そこにとりあえず移すのかもしれませんし、あるいは、そのキャスクをこれから沢山作ってですね、キャスクのまま保管するという方法もあると思います」
水野「ほおー…。ただ、こうした作業はですね」
小出「はい」
水野「今4号機のプールに1535体あるんだそうで。」
小出「はい」
水野「やっと1本取り出しただけでしょ」
小出「はい」
水野「これからものすごい時間がかかるんでしょうが。」
小出「はい」
水野「これ作業中に大きな地震が、あったらですね。どういうリスクが、ありうるんですか」
小出「え…1535体のし、燃料集合体のうち、204体は未使用です。え…そのうちの1体2体をまあ、今日、あるいは数日のうちに、試験的に取り出してみようとしているわけですが」
水野「はい」
小出「1331体は、すでに核分裂させてしまった、燃料集合体なのです」
水野「はい、はい」
小出「え…それを、1体の損傷もないようにしながら、全てを出さなければいけない、のです」
水野「はい、はい」
小出「え…大変困難な作業ですし、え…すでに建屋が壊れてしまっていまして。建屋をこれからもう1度作って、その建屋に巨大なクレーンを設置して、そして使用済み燃料の交換器というような精密作業ができるようなものをまた設置して。作業をしなければいけないのです。で、その準備のために、東京電力は来年の12月まで時間がかかると言ってるわけですが。多分そうだろうと思います。で、その後も、う…今聞いていただいたように1331体すべてを完璧に移動させなければいけませんので、大変難しい作業になるだろうと思います。で…もししくじったらどうなるかということなんですけれども」
水野「どうなるんですか」
小出「たとえばその、吊り上げてる途中に使用済燃料を落としたりするという可能性がある、のですね。で、そうなりますと、んー…どうなるかという予測を立てるのはとても難しいんですが。落ちていった使用済みの燃料が、え…どこかにぶつかって燃料棒が折れるとかですね。そういうことは十分ありうるだろうと思います」
水野「はい」
小出「え、そうすると燃料棒の中に、閉じ込められていた放射性物質が外に出てきてしまうことになります。で、ただし、燃料全…全体がプールの中にある、状態であれば、まだ私はマシだと思います。」
水野「ああ…はい」
小出「あの、冷えてるわけですから、燃料が溶けてしまうということは無いはずですし。閉じ込められていた放射性物質のうち、希ガスと私達が呼んでいるガス状の放射性物質だけが吹き出してくるという、そういうことになると思います」
近藤「あの…先生?」
小出「はい」
水野「はい。近藤さん」
近藤「あの…要するに今日の作業でその腐食状況を調べるって言ってるでしょ」
小出「そうです」
近藤「だけど、その腐食があるということになると、何が言えるんですか」
小出「え…要するに燃料棒というものがですね、ジルコニウムという金属でできているのですが。それが腐食をしているということになると、ようするに、破損しやすくなっている、わけですね。で、そうすると、使用済燃料集合体を釣り出そうという作業の途中で、燃料棒が壊れやすい…くなっているわけですから。え…特に落としたりしないうちに、燃料棒が壊れてですね、中から希ガスが吹き出してくる、そうすると作業自身ができなくなるという可能性も、出てくると思います」
近藤「それを調べてるわけですね」
小出「そうです」
近藤「ふうむ」
水野「本当に地震がないことを祈らずにはいられませんが」
小出「はい」
水野「もう1つ、大飯原発4号機、今夜再起動ということなんですが」
小出「はい」
水野「その、一方で大飯原発の敷地の中を走る断層が、活断層である可能性も指摘されて、います」
小出「はい」
=====
大飯原発 直下に活断層の可能性 「非常用取水路」が断層を横切っている危険性 小出裕章7/18(2)
2012年7月18日(水)、小出裕章氏が、毎日放送「たね蒔きジャーナル」に出演。
大飯原発の直下にある断層が活断層であった場合について言及。特に非常用取水路が断層を横切っていることの危険性について説明しています。
▼20120718 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章
=====
※「4号機 未使用燃料を試験的に取り出す理由 「腐食していると破損しやすくなっている 落さなくても燃料棒が壊れたり中から希ガスが吹き出す」小出裕章7/18(1)」からの続き。
水野「もう1つ、大飯原発4号機、今夜再起動ということなんですが」
小出「はい」
水野「その、一方で大飯原発の敷地の中を走る断層が、活断層である可能性も指摘されて、います」
小出「はい」
水野「まあ、この話は、種蒔きジャーナルでもすでに専門家からお話を聞いている話なんですが」
小出「はい」
水野「今度ですね、その保安院が、まあ、再調査を求めると、指示すると、いうことになりました。」
小出「はい」
水野「で、国の基準では、原発の重要な施設、重要施設は活断層の上には設置できない、っていうふうにあるんですよね、小出さん」
小出「そうです」
水野「で、大飯原発の場合どうなのかと、いうことなんですけど。これ、2号機と3号機の間を断層が走っているんだそうで。原子炉そのものが活断層の真上に、ある、わけでは、ない」
小出「(苦笑)」
水野「断層の真上にあるわけでは、ない、ようですが」
小出「はい」
水野「非常時の冷却水を通す非常用の取水路、水を取る道、非常用取水路は、この断層を横切る格好になっているんだそうです」
小出「はい」
水野「つまり、真上に非常用取水路っていうのがあるわけですよね、断層の上に。これって重要施設、ですか。どういう施設ですか」
小出「重要だと思います。え…みなさん…まだご存知のない方もいらっしゃるかもしれませんが。例えば大飯の原子力発電所は118万キロワットという出力ですけ…ですが。それは電気になるものが、118万キロワットなのであって」
水野「ほお」
小出「え…通常はその倍の熱が、使えないまま海へ捨てるというそういう、機械なのです」
水野「半分しか使えないのですか」
小出「え…はい。すす…半分というか3分の1しか使えないのです」
水野「そんなに効率が悪いのですね」
小出「はい。電気になる分の倍を海に捨てるという事になっていまして。そのために1秒間に大飯の場合には80トンというような海水を、冷却用に原子炉の中に…原子炉建屋の中に、まあタービン建屋ですけれども、に引き込んで、それをまた海へ戻すということをやってるのです」
水野「すいません、1秒に80トンですね」
小出「そうです。」
水野「はい」
小出「もう日本にはそんな大河が20か30しか無いというぐらいの、巨大な大河を作っているのです。」
水野「はい」
小出「それで…そのためには巨大なポンプを動かしてぐるぐる回している、わけですが。え…事故になった時には原子炉の運転を止めなければいけませんし、そんな巨大なポンプを動かすことも出来ませんので。え…非常時のためのまた別の冷却回路というのがあるのです。」
水野「はい」
小出「はい。ただしそれは非常時のためにわざわざあるわけですから。非常時には必ず動かなければいけない回路、なのです」
水野「ええ…!」
小出「はい。え…そこ…それが壊れてしまえば、ようするに非常時に用をなさなくなってしまいますので。え…大変重要な施設だと言っていいと思います」
水野「つまり冷却ができなくなる恐れにつながるということですね」
小出「そうです」
水野「ということは福島のようなメルトダウンにもつながるっていう意味ですよね」
小出「そうです。はい」
水野「それが、断層のとこにあると。いうことですよね」
小出「はい」
水野「断層を横切っているという、そういう意味なんですか」
小出「そうです」
水野「はあ…はい。ありがとうございました」
小出「はい」
水野「京都大学原子炉実験所助教、小出裕章さんに伺いました」
お金のために 国の存続すらをも賭けてしまう電力会社
東電も 関西電力も 他の電力会社も多分・・・・
一企業にそんな権限があるのだろうか??
フクシマの事故の見通しさえ立っていない状況の中で さらに国がそれを後押ししているという
狂った国 日本 それが現実だ
さらに 東電の値上げのなかには 太陽光などの自然エネルギーの買い取り価格までもが
消費者に押し付けられる
民間企業では絶対にあり得ない話だ
原子力村を早く解体し まったく 原子力推進とは関係のない人を選んでほしいが
すでに もう 骨抜きにされている
さようなら原発1000万人署名に賛同する『脱原発国会議員』は、現在92人
この人たちを良く覚えておこう 次の選挙が 大事!!
4号機 未使用燃料を試験的に取り出すワケ 「腐食していると破損しやすくなっている 落さなくても燃料棒が壊れたり中から希ガスが吹き出す」小出裕章7/18(1)
2012年7月18日(水)、小出裕章氏が、毎日放送「たね蒔きジャーナル」に出演。
4号機で未使用の燃料が試験的に取り出されている理由について説明しています。
▼20120718 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章
=====
水野「京都大学原子炉実験所助教、小出裕章さんです。小出さんこんばんは~」
小出「こんばんは」
水野「よろしくお願いしますー」
小出「よろしくお願いします」
水野「そして東京には近藤さんですー」
近藤「ああこんばんは。よろしくお願いしまーす」
小出「はい。近藤さん、こんばんは。よろしくお願いします」
水野「え…まず、福島第一原発4号機のプールから燃料棒1体が初めて取り出されたと。いう話で伺いたいんですけれども。」
▼福島第一原発4号機から燃料棒取り出し 事故後初(12/07/18)
小出「はい」
水野「これ…今回はですね、試験的にまだ使用していない核燃料が取り出されています」
小出「はい」
水野「ただこの、使用していない核燃料というのは比較的、安全…だということですが」
小出「はい」
水野「どれくらいのものなのか。放射線量というのはゼロ…なんですか」
小出「え…ゼロではありません」
水野「ほお…」
小出「え…使用済み前…燃やす前の燃料というのはもちろんウランなのですが。」
水野「はい」
小出「え…ウランというのは、放射性物質ですから、もともと放射線を出します」
水野「はい」
小出「え…ですから、安全ということは無いのですが」
水野「はあ…」
小出「え…ん…ガンマ線という放射線が透過性が高いのですが」
水野「ふむ」
小出「ウランという原子核はガンマ線に関しては、大変微弱なガンマ線しか出さない、のです」
水野「ほぉ…はい」
小出「ですから、え…それを体の中に取り込んだりしない限りは、ほとんど危険がありませんし、え…燃料棒という形ですでにその金属のパイプの中に閉じ込められていますので…え…大きな危険があるというものではありません」
水野「なるほどー」
小出「はい」
水野「だから今回はまず試験的にこの…未使用の核燃料を取り出したわけで」
小出「そうです」
水野「こう…誤って使用済みの核燃料を吊り上げないように、クレーンで吊り上げないようにと、注意しているということなんですが」
小出「はい」
水野「ま、もし誤って使用済みを釣り上げるとどうなるんですか」
小出「え…周辺の人がばたばたと死ぬと思います」
水野「ああ…今日公開されている映像ですと30人ほどの」
小出「はい」
水野「作業員の方がもうすぐそばで」
小出「はい」
水野「え…まあ作業して、したり、見守ったりしてるわけですけども」
小出「はい」
水野「そういうところにいると、お一人ではなく次々に…」
小出「はい。ただ、あのすぐに分かると思います。え…釣り上げてくる途中で、」
水野「ほお」
小出「え…周辺の放射線の線量がどんどん上がってきてしまいますので」
水野「はあ…」
小出「え…使用済燃料プールは10メートル以上の深いプールなのですが」
水野「ええ、ええ」
小出「そこからどんどんどんどん水面近くに引き上げてくるにしたがって、もしそれが使用済みの燃料であれば、え…プールの上の空間の線量率が上がってきてしまいますので。容易にわかります」
水野「はあー。あ、水の外に出すまでに」
小出「はい、はい」
水野「水の中で近づいただけでもう線量上がるんですか」
小出「はい。もう、簡単に上がってしまいます」
水野「はあー。じゃ、それほどの線量のきつい使用済み核燃料をこれから先、どんなふうに釣り上げて、どこへ出して」
小出「え…はい」
水野「どうするんですか」
小出「これからは、今回やったようなやり方ではもちろん、釣り出すことができません」
水野「はい」
小出「まずは、え…使用済燃料を収納するための巨大な、私達がキャスクと呼んでいる、」
水野「はい」
小出「金属製の容器…鋼鉄と鉛でできている容器ですが。それをプールの底に沈めます」
水野「まず、プールの中に沈めます。」
小出「はい。その容器の中に、使用済みの燃料を、え…水の中で吊り上げて、また容器の中に格納します」
水野「はあ…はい」
小出「そして、蓋を閉めます」
水野「はい」
小出「え…そうして、キャスク全体、100トンを超えるような、巨大な容器なのですが。」
水野「ええ」
小出「それを、水の中から空気中に引き上げるということをやります」
水野「けして空気には触れさせないで、」
小出「はい」
水野「水の中で作業をしてキャスクに入れて
小出「はい」
水野「そしてそのキャスクを釣り上げて、それ、どうするんですか」
小出「えぇ(苦笑)。それからが難しいのですが。え…ん…東京電力もそれをどうするか多分考えてるはずですが。」
水野「はい」
小出「すぐとなりに共用の使用済燃料プールというのが有りまして。すでに6000体か7000体ぐらい入っているまあ大きなプールがあるのですが。」
水野「(苦笑)はい」
小出「そこにとりあえず移すのかもしれませんし、あるいは、そのキャスクをこれから沢山作ってですね、キャスクのまま保管するという方法もあると思います」
水野「ほおー…。ただ、こうした作業はですね」
小出「はい」
水野「今4号機のプールに1535体あるんだそうで。」
小出「はい」
水野「やっと1本取り出しただけでしょ」
小出「はい」
水野「これからものすごい時間がかかるんでしょうが。」
小出「はい」
水野「これ作業中に大きな地震が、あったらですね。どういうリスクが、ありうるんですか」
小出「え…1535体のし、燃料集合体のうち、204体は未使用です。え…そのうちの1体2体をまあ、今日、あるいは数日のうちに、試験的に取り出してみようとしているわけですが」
水野「はい」
小出「1331体は、すでに核分裂させてしまった、燃料集合体なのです」
水野「はい、はい」
小出「え…それを、1体の損傷もないようにしながら、全てを出さなければいけない、のです」
水野「はい、はい」
小出「え…大変困難な作業ですし、え…すでに建屋が壊れてしまっていまして。建屋をこれからもう1度作って、その建屋に巨大なクレーンを設置して、そして使用済み燃料の交換器というような精密作業ができるようなものをまた設置して。作業をしなければいけないのです。で、その準備のために、東京電力は来年の12月まで時間がかかると言ってるわけですが。多分そうだろうと思います。で、その後も、う…今聞いていただいたように1331体すべてを完璧に移動させなければいけませんので、大変難しい作業になるだろうと思います。で…もししくじったらどうなるかということなんですけれども」
水野「どうなるんですか」
小出「たとえばその、吊り上げてる途中に使用済燃料を落としたりするという可能性がある、のですね。で、そうなりますと、んー…どうなるかという予測を立てるのはとても難しいんですが。落ちていった使用済みの燃料が、え…どこかにぶつかって燃料棒が折れるとかですね。そういうことは十分ありうるだろうと思います」
水野「はい」
小出「え、そうすると燃料棒の中に、閉じ込められていた放射性物質が外に出てきてしまうことになります。で、ただし、燃料全…全体がプールの中にある、状態であれば、まだ私はマシだと思います。」
水野「ああ…はい」
小出「あの、冷えてるわけですから、燃料が溶けてしまうということは無いはずですし。閉じ込められていた放射性物質のうち、希ガスと私達が呼んでいるガス状の放射性物質だけが吹き出してくるという、そういうことになると思います」
近藤「あの…先生?」
小出「はい」
水野「はい。近藤さん」
近藤「あの…要するに今日の作業でその腐食状況を調べるって言ってるでしょ」
小出「そうです」
近藤「だけど、その腐食があるということになると、何が言えるんですか」
小出「え…要するに燃料棒というものがですね、ジルコニウムという金属でできているのですが。それが腐食をしているということになると、ようするに、破損しやすくなっている、わけですね。で、そうすると、使用済燃料集合体を釣り出そうという作業の途中で、燃料棒が壊れやすい…くなっているわけですから。え…特に落としたりしないうちに、燃料棒が壊れてですね、中から希ガスが吹き出してくる、そうすると作業自身ができなくなるという可能性も、出てくると思います」
近藤「それを調べてるわけですね」
小出「そうです」
近藤「ふうむ」
水野「本当に地震がないことを祈らずにはいられませんが」
小出「はい」
水野「もう1つ、大飯原発4号機、今夜再起動ということなんですが」
小出「はい」
水野「その、一方で大飯原発の敷地の中を走る断層が、活断層である可能性も指摘されて、います」
小出「はい」
=====
大飯原発 直下に活断層の可能性 「非常用取水路」が断層を横切っている危険性 小出裕章7/18(2)
2012年7月18日(水)、小出裕章氏が、毎日放送「たね蒔きジャーナル」に出演。
大飯原発の直下にある断層が活断層であった場合について言及。特に非常用取水路が断層を横切っていることの危険性について説明しています。
▼20120718 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章
=====
※「4号機 未使用燃料を試験的に取り出す理由 「腐食していると破損しやすくなっている 落さなくても燃料棒が壊れたり中から希ガスが吹き出す」小出裕章7/18(1)」からの続き。
水野「もう1つ、大飯原発4号機、今夜再起動ということなんですが」
小出「はい」
水野「その、一方で大飯原発の敷地の中を走る断層が、活断層である可能性も指摘されて、います」
小出「はい」
水野「まあ、この話は、種蒔きジャーナルでもすでに専門家からお話を聞いている話なんですが」
小出「はい」
水野「今度ですね、その保安院が、まあ、再調査を求めると、指示すると、いうことになりました。」
小出「はい」
水野「で、国の基準では、原発の重要な施設、重要施設は活断層の上には設置できない、っていうふうにあるんですよね、小出さん」
小出「そうです」
水野「で、大飯原発の場合どうなのかと、いうことなんですけど。これ、2号機と3号機の間を断層が走っているんだそうで。原子炉そのものが活断層の真上に、ある、わけでは、ない」
小出「(苦笑)」
水野「断層の真上にあるわけでは、ない、ようですが」
小出「はい」
水野「非常時の冷却水を通す非常用の取水路、水を取る道、非常用取水路は、この断層を横切る格好になっているんだそうです」
小出「はい」
水野「つまり、真上に非常用取水路っていうのがあるわけですよね、断層の上に。これって重要施設、ですか。どういう施設ですか」
小出「重要だと思います。え…みなさん…まだご存知のない方もいらっしゃるかもしれませんが。例えば大飯の原子力発電所は118万キロワットという出力ですけ…ですが。それは電気になるものが、118万キロワットなのであって」
水野「ほお」
小出「え…通常はその倍の熱が、使えないまま海へ捨てるというそういう、機械なのです」
水野「半分しか使えないのですか」
小出「え…はい。すす…半分というか3分の1しか使えないのです」
水野「そんなに効率が悪いのですね」
小出「はい。電気になる分の倍を海に捨てるという事になっていまして。そのために1秒間に大飯の場合には80トンというような海水を、冷却用に原子炉の中に…原子炉建屋の中に、まあタービン建屋ですけれども、に引き込んで、それをまた海へ戻すということをやってるのです」
水野「すいません、1秒に80トンですね」
小出「そうです。」
水野「はい」
小出「もう日本にはそんな大河が20か30しか無いというぐらいの、巨大な大河を作っているのです。」
水野「はい」
小出「それで…そのためには巨大なポンプを動かしてぐるぐる回している、わけですが。え…事故になった時には原子炉の運転を止めなければいけませんし、そんな巨大なポンプを動かすことも出来ませんので。え…非常時のためのまた別の冷却回路というのがあるのです。」
水野「はい」
小出「はい。ただしそれは非常時のためにわざわざあるわけですから。非常時には必ず動かなければいけない回路、なのです」
水野「ええ…!」
小出「はい。え…そこ…それが壊れてしまえば、ようするに非常時に用をなさなくなってしまいますので。え…大変重要な施設だと言っていいと思います」
水野「つまり冷却ができなくなる恐れにつながるということですね」
小出「そうです」
水野「ということは福島のようなメルトダウンにもつながるっていう意味ですよね」
小出「そうです。はい」
水野「それが、断層のとこにあると。いうことですよね」
小出「はい」
水野「断層を横切っているという、そういう意味なんですか」
小出「そうです」
水野「はあ…はい。ありがとうございました」
小出「はい」
水野「京都大学原子炉実験所助教、小出裕章さんに伺いました」
お金のために 国の存続すらをも賭けてしまう電力会社
東電も 関西電力も 他の電力会社も多分・・・・
一企業にそんな権限があるのだろうか??
フクシマの事故の見通しさえ立っていない状況の中で さらに国がそれを後押ししているという
狂った国 日本 それが現実だ
さらに 東電の値上げのなかには 太陽光などの自然エネルギーの買い取り価格までもが
消費者に押し付けられる
民間企業では絶対にあり得ない話だ
原子力村を早く解体し まったく 原子力推進とは関係のない人を選んでほしいが
すでに もう 骨抜きにされている
さようなら原発1000万人署名に賛同する『脱原発国会議員』は、現在92人
この人たちを良く覚えておこう 次の選挙が 大事!!