[書遊び]「徒然草」<百九段②・かばかり>


⭐lightです。

『・・・かばかりになりて、飛び降(お)るとも降

 りなん。如何にかく言ふぞ」と申し侍りしかば、

 「その事に候ふ。目くるめき、枝危(あやふ)き

 ほどは、己が恐れ侍れば、申さず。あやまちは、

 安き所に成りて、必ず仕(つかまつ)る事に候

 ふ」と言ふ。・・・』   卜部(吉田)兼好


(訳)「・・・これくらいの高さなら、飛び降り

   ても、降りられる。なぜ、そんなことを言

   うのかと聞いたら、「その事なんですよ。

   それは目がくらみ、枝が折れそうで危ない

   うち
は、自分で気をつけるから注意しない。

   過ちは安全な所で必ず起こる」と答えた。

   ・・・」        


●「徒然草」の中では、序段とこの段が有名です

 が、はじめて、この段を学習した学生の頃「こ

 れが大人の世界か」と思った事を思い出します。    



●ずいぶん前に、「なぜ歴史(古典)を学ぶのか

 というレポート課題があり、そのまとめに「自分

 の生き方の参考にするため
」と書きました。


●兼好さんは「徒然草」を書きながら、自分の心の

 整理をされていたんだろうなと思います。

 私も「徒然草」の最後の書画を仕上げるまでに、

 少し心の整理ができていれば、嬉しいです。

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