待ち合わせは最寄駅の改札。

気合を入れて約束の時間の30分前に到着。

久美子が来るのをドキドキしながら待った。


彼女は10分前にやってきた。

「fairyさん早い」

「俺も今来たとこ」

早速電車に乗り込んだ。


車中で色々な話をした。

彼女の大学のこと(友達はあまりいないらしい)

最近読んだ本のこと(意外とラノベとかも読むらしい)

好きなミュージシャンのこと(RADWIMPSやバンプが好きらしい)

など。


二人きりだからか、久美子はすごくよく喋った。

俺は殆ど聞き役。

何を話せば良いか心配していたので、正直助かった。


映画館についたのが上映開始直前だったので、予約していたチケットを発券して、飲み物とポップコーンというベタな食べ物を買って劇場に。

映画のチケットを俺が事前に買っていたので、食べ物代は久美子が出してくれた。

俺は奢ると言ったのに自分が払うといってきかない。

意外と頑固な子だな。


席についてビックリ。

さすがプレミアシートだけあって凄かった。

椅子というよりも二人がけのソファーみたいな感じ。

座り心地もサイコー。

「こんな席で映画見たことない」

久美子もビックリしていた。

いやープレミアにしておいて良かった。

これからデートにいく皆さん、豊洲のプレミヤシートはかなりオススメです。


映画(「パコと魔法の絵本」)は…正直言って微妙だった。

パコ役のアヤカ・ウイルソンはカワイかったけど、内容がイマイチ。

観客を一生懸命泣かそうとして作られているんだけ、演出のツボや脚本のメリハリが弱くてどうにもノッテ見れなかった。

あとちょっと時間が長過ぎ。

あの話ならもっと短く出来たのに。

映像はキレイだっただけに“もうちょっとで賞”な作品でした。

久美子も同じような感想だった。


見終わった後、シネコンに隣接するカフェへ。

なんとカフェの2階はプレミヤシートの客専用のラウンジらしく、せっかくだから行ってみることに。

しかもワン・ドリンク無料だし。


ラウンジがまた良かった。

一面に大きな窓があって、東京湾が一望に。

雰囲気もお洒落で、大人な感じのラウンジ。

「fairyさんなんでこんなとこ知ってるんですか?」

久美子も又又喜んでくれた。

ホント豊洲オススメです(業者オツ)。


かなり雰囲気だったので、もしかしたらココで告白出来るかも。

身の程知らずにもそう思った。


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ただいま。

無事に帰宅いたしました。


いやー余りにも色々なことがあり過ぎて、正直頭から煙が出てる。

整理するのに時間がかかるので、詳細は明日報告します。

すみませんが1日だけ待ってください。


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いよいよ明日です。

男fairy勝負です。

皆さんオラに力を分けてください。


そういえばバイトは店長に無理言って休みにしてもらいました。

俺がそんな我がまま言うのは珍しいので、ちょっとビックリしてたけど。

「まあ、お前に限って女絡みじゃないだろうけどな」

店長あんた間違ってるよ、絡みまくってるんだよ“女”が。

まあ今までの俺を知ってる店長じゃあそう思っても仕方ない。

でも俺は生まれ変わった。

明日は妖精パワー炸裂だ!!


女の子と映画見るなんて何年振りだろう…

しかも10歳も年下のピチピチギャル。

うわーかなり緊張する。


豊洲にキレイなシネコンがあると聞いていたので、場所はソコにした。

ちょっと遠いけど渋谷、新宿みたいなゴミゴミした街は苦手だと久美子が言っていたので。

しかも奮発してプレミヤシート(6,000円)を予約しちゃいました!!


さて、今日は遅番なんでこれからバイトです。

明日に備えて省エネモードで働いてきます。

明日天気になりますように。

まあ映画だから雨天決行だけど。


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「あ、そう…」

アドリブが利かない俺にはこれ以上は無理だった。

かなり落ち込んでしまい、思わず顔に出てしまった。

「fairyさん急にどうしたんですか?」

「べ、別に」

「もしかして、一緒に行きたかったとか?」


図星だ。

そうだった、意外とスルドイ子なんだよ久美子。

えーい、この際もうヤケクソだ。


「そ、そうなんだよ、でも見ちゃったんなら」

「他の映画じゃ駄目ですか?」

突然の展開に更にパニくった。

「“パコと魔法の絵本”見たいんですけど」

「え?」

「それじゃ駄目?」

「い、いや、全然」

「良かった」

うれしそうに笑う久美子。


「いつにします?」

「今週の土曜日は?」

「土曜日はちょっと…日曜日は?」

「う、うん、大丈夫」

「じゃあ決まりですね。」

突然彼女が立ち上がる。


「私もう休憩終わりなんで、あとはメールで」

「う、うん」

「それじゃあお先に」

久美子は休憩室を出て行った。


しばらく一人で呆然としていた。

こんなラッキーが俺にも訪れるとは…

「よっしゃー」

部屋の外には聞こえない位の大きさで雄叫びを上げた。

その時俺は大事なことに気が付いた。


日曜日ってバイト入ってるじゃん…



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昨日の宣言通り、今日は久美子を映画に誘う気満々なので、朝から変なテンションだった。

思わず鼻歌なんか口ずさんじゃったりしちゃって、他のバイトに気持悪がられた。


久しぶりに会った久美子はやっぱりカワイイ!!


ブログに書いた以上絶対実行しなければと思っていたが、いざ彼女に会ってみると正直ビビった。

急に緊張してしまいガチガチに。

彼女の顔がマトモに見れない。


「fairyさん大丈夫ですか?」

「へ?あ、だ、大丈夫」

やさしい彼女の気遣いも受け止める余裕が無かった。


今日のシフトは昼休憩の時間が久美子と10分間だけクロスしている。

彼女はいつもパン等を買ってきて休憩室で食べてる。

俺も今日は買い弁にして彼女の待つ休憩室で食べる予定。

二人きりになれる数少ないチャンスなのでここを逃しては男が廃る。


昼休憩が来るのが待ち遠しくもあり、怖くもある。

何度もシュミレーションしたセリフを仕事中ずっと頭の中で反芻していた。

正直仕事にならない。


そして、ついにその時がやってきた。

俺はコンビニ弁当片手に彼女の待つ休憩室に向かった。


ドアを開けるとそこには久美子がいた。

(当たり前か)

昼食を食べ終わった彼女は文庫本を読んでいた。

「あれ、fairyさん珍しいですね」

「そ、そう?」

「いつも外で食べてくるじゃないですか」

「今日は店長休みだから」

「もしかして、一人で外食出来ないとか」

「ま、まあね」

ドギマギしながら彼女の向かいの椅子に座った。

「寂しがり屋さんなんですね」

「い、いや、別に」

「私もうすぐ休憩終わりなんで、寂しいなら早く食べちゃってください」

「あ、うん」


ぎこちなく弁当を食べ始める俺。

久美子は再び文庫本を読み始める。

チラッと時計を見る。

彼女の休憩は残り5分。

もう時間が無い。

頑張れfairy。


「あ、あのさあ」

「はい?」

「この前の映画」

「え?」

「見たいって言ってた」

「あー、20世紀少年」

「あれ、もう見た?」

「はい。面白かったですよ」


俺終わった…


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