「うつの人を治した事がある。」

ある治療家さんが、私にこう言った。


この方、かなり威圧的な感じがしたので、私は黙って話を聞いていた。

私の話等、聞きはしないだろう。


私は話を聞きながら、疑問が浮かんだ。

何を持って治したと言っているのか?

このクライアントさん、薬は飲んでいたのか飲んでいなかっのか?

治療を受けて、症状が良くなるとは思うのです。

仮に、薬を飲まず治したい等何かしら理由があって、薬を飲んでいなかった場合…

状態が良くなって、そのまま普通の生活に戻れる事はあると思うのです。


しかし、薬を飲んでいたら?

クライアントさん、薬はどうした?

症状が良くなれば、薬はやめたいと思うのです。

薬事法があって、治療家さんが薬の事(やめる事等)は、言ってはいけないと聞いた事があります。


それを踏まえて…

この治療家さんが

「薬の事は主治医と相談して下さい。」

と言った場合…


医師は薬の減らし方、やめ方を知らない。


仮に、比較的良い主治医で、少しずつ薬を減らしたとして、それでも離脱症状は出るでしょう。

もし、仮に、良くなったのならと主治医が一気に薬を中止したとしたら?

恐ろしい事になります😓


仮に、クライアントさんが良くなったからと、病院にも行かず、勝手に薬を止めてしまったら?

それもまた、恐ろしい😓


どう考えても、このクライアントさん、離脱症状で苦しんでいるのではないか?

と、思うのです。


精神薬の離脱症状がどれ程過酷な事、どれ程大変な事か知っている治療家さんは、こんなに簡単に「うつの人を治した。」とは、言わないと思うのです。


私が知る限り、精神薬の離脱症状の話をしても、どういう事か知ろうとする治療家さんは、いないに等しい😓


貴方は、病気の人を治したと思っているかもしれないけれど、精神薬の離脱症状と言う違う苦しみに苦しんでいるかもしれないのです。

こんな言葉が私の頭には浮かんでいたのです。


私はこう思います。

精神薬の離脱症状の事を知らない治療家は、罪に問われない殺人者になっている可能性がある。


もう10年以上前の話になりますが…

私は、精神薬に詳しいカウンセラーさんと出会い、精神薬の恐ろしさを知る事となりました。

しかし、このカウンセラーさんは、離脱症状の事を全くご存知なかった😓

私は、薬をやめ、理解出来ぬ症状に悩まされ、カウンセラーに相談するもどうにもならず、絶望し、自殺を試みたのです。

(カウンセラーさんからは、離脱症状の離しは全く出てこなかった)


それは春の事でした。


意識が戻ったのは、精神病院の閉鎖病棟。

そしてまた、薬を服用する事となってしまいました😓

死ねない…

絶望のどん底を仕方なく生きていたそんな時、精神薬を飲んでいた人を治療した事があると言う治療家さんとの出会い。

暗闇の中、かすかな光が見えたかのように思えたのです。

治療をしながら、薬を減らしました。

しかし、この治療家さんの言う事をまともに信用してはいけないと気づいた時には、事遅し…

離脱症状が爆発し、誰もどうにも出来ない状態となってしまっていました。

地獄としか言いようのない状態…

もう自殺は出来ないと自分に言い聞かせ、我慢するしかなかったのです。

これが初めての事なら、私は自殺していたでしょう。


彼女(治療家さん)は、かなりスピリチュアルを治療に取り入れていた。

「症状は、自分が作り出している。だから、自分で何とか出来る。」

意識の持ち方で症状は治ると言うのです。

そして、こんなに事も言った。


「死ぬ時は、死ぬんでしょう。」


全くの他人事とも言える言葉に、私は言葉もありませんでした。

そして、最悪…

彼女は怒って、私の前から消えていったのです。


精神薬の離脱症状…これは今まで人間が経験した事の無い世界。


治療家さん、スピリチュアルを語っている方々…

知らないのは仕方ない事だと思います。

しかし、何かをきっかけに、精神薬の離脱症状の事を耳にしたなら…

精神薬の離脱症状がどれ程過酷な事か、知って下さい。

知ろうとして下さい。

単に知識として知るのでは無く、現実の事として知って下さい。


医学的な見解として、精神薬の離脱症状は、薬をやめて数日長くても数週間(1ヶ月程)、それ以上続く症状に関しては、違う症状が出たと言う事です。

しかし、現実は違うのです。

何年も続く、過酷な状態。

しかし、国も医師達も、私達の話は聞いてくれない。

そんな人達と同じような人間にならないで下さい。

聞く耳をもって下さい。


精神薬の離脱症状と共に暮らしている人達が少しでも心穏やかに暮らせるよう、優しく見守ってくれる存在となって下さい。


時にスピリチュアルな視点から症状を見る事も必要、症状を緩和する為にいろんな治療も必要とします。

しかし、離脱症状の事を知らなければ、知らない間に「罪に問われない殺人者」になっている可能性があるのです。


症状で苦しんでいる人の為にしている治療が、誰もが幸せに暮らせるように語っているスピリチュアルな事が、逆に死へと追いつめている事があるのです。


私は、そういう経験をした。

そして、私は死ねなかった。

それだけの事です。


断薬して5年が経過した私。

何事も無く、ここまで来れた訳ではありません。