前庭神経炎 その1 


どう見ても脳梗塞な前庭神経炎。


通勤電車で発症すると、しばしば特急列車を緊急停止させ、居合わせた人々からは迷惑よりも『この人もう死ぬんだ無気力ショボーン南無南無』的なお見送りを受け、時としてドクターヘリすら札束$コインたち要請されてしまう、【激甚】とか【過激】の形容詞を付けられる恐るべき病態を呈します。


しかし、その原因は内耳炎。

すわ、入院か!と思いきや。
この病気は耳鼻科と精神科(理由は後述)のカテゴリーになり、嘔吐さえしなくなれば基本的に入院させてもらえませんし、それらの科で病床が確保されていることはとても稀です。

家族がいないとか介護者が居ない事情がある人以外、嘔吐が収まれば目眩中でも運動失調でも帰されます。何なら車椅子程度は貸してもらえますが…
ネガティブ昇天魂が抜ける
10万人に3.5人しか発症しないということは、耳鼻科領域の癌・いわゆる頭頸部がん全部の発生数のおよそ1/10。
珍しいと言われる頭頸部がんより更に少ないことが全てに拍車をかけているむかつき

治療法は以下の通りであるムキー

そして何より、恐るべきは予後。


ムキームキームキームキームキー
つまり、総じて死んだり後遺症が出るものではないので1-3ヶ月寝たきりで過ごしなさい?

治療法は対症療法(主に制吐剤)とステロイドで消炎。

根本的な治療方法はありませんし、ほっとけば治るから。何ならステロイドだって気休めだけど、死ぬよりいいでしょ?てへぺろテヘペロ

的な???
軽〜いライトな疾病と見られちゃってる割に
・目眩と複視
・運動失調(起立不能、歩行不能)
・感覚異常(暑い寒いが無くなり汗がでない)
・片側痛覚麻痺
これら脳梗塞並の症状が全部出揃う。

とんでもない疾病だったのであります。
ムキームキームキームキームキームキームキームキー

ここらで嫌な予感がした方は、社会人としてとても聡明です。

世にいう医療保険や高度先進治療補償の範囲は
がん、心筋梗塞、脳梗塞、脳出血。
ガーン煽り滝汗
前庭神経炎をカバーできる保険は、余程オプションを盛込みまくった超高額保険商品以外、存在しておりません。
いいとこコープ共済とかの通院日額1500円とかが関の山です。

1-3ヶ月黙って寝てればもとに戻れるなら良いじゃないか、と思われてるかもしれませんが。
一体この日本に、
がん、心筋梗塞、脳梗塞、脳出血以外の入院不要な疾病で、長期病欠を容認してくれる会社がどれだけあるでしょうか?

余程人事総務が経験豊富な、歴史の長い大企業なら、或いは前例があるかもしれません。
しかし、殆どの場合、自己都合退職の強要。
悪いと、解雇される。

この病気を調べた時。
やたら目についたのは弁護士の広告です。

サラリーマンやキャリアウーマンがこの病気になると、会社は相談相手ですらなくなり、敵になります。
特に住宅ローン等大きな負債を抱えた一馬力のお父さんお母さんはどうなってしまうのか…?
病院からは対症療法だけで軽くあしらわれる。
会社からは病欠を詰られて失職する。
ローンも返していけない。
世の中の全てが自分に牙を剥くと考えても不思議ないことです。

精神科が必要と思われてるのがこの部分です。
症状の重い前庭神経炎を発症した患者さんは、統計的に一ヶ月以内に4割が自○企図する、と。最低な場合は、三ヶ月後会社に荷物を取りに行って、その足で……、というケースもあると聞かされました。
身につまされて、涙が出ました。

患者数が少ない=権利も無いんです。
もし癌や脳疾病、心臓病になった社員にこんな仕打ちをしたら、世の中が許しません。
爆発的な労働争議になること請け合いです。
しかし、後遺症もなくケロリと治る前庭神経炎の社員を間引いたところで世の中は何も言いません。三ヶ月寝かせてくれるのは自営か実家ぐらいです。

前庭神経炎はサラリーマンが絶対になってはならない病気の筆頭・第一位とも言われているそうです。

重くなったので続きますショボーン