レッドスタースメルチの金魚外への適応として、
古代魚以外の魚類は安全に使用出来ることが2015/12末までに確認されております。
それは、冷温熱帯問わず、甲殻類・貝類にも弊害は出ておりません。
これらの魚種については、既にあらゆるパラサイトシンドロームについて効果が確認されております。

治験対象魚がなかなかみつからず、現在までおざなりになっていた魚種に
アロワナ上目(Osteoglossomorpha)類が御座います。
今年に入ってエピスティリス症、通称ツリガネムシ(釣鐘虫、学名:Vorticella nebulifera)症のアジアアロワナに於ける有効性のお問い合わせを戴き、治験を開始した次第で御座います。

感染したアジアアロワナ達は、飼育者様にお聞きしたところ
1)2年以上罹患し続けていること
2)パラサイトを剥ぎ取る為、手術を数回にわたり行ったこともあるとのこと(患部離断)
3)あらゆる駆虫系市販薬(リフィッシュ/マゾテン/トロピカルゴールドNなど)及び農薬(デミリン)人間用のもの(メトロニダゾール=フラジールなど)、現状考えうるあらゆる駆虫薬を試したが、魚体へのダメージばかり蓄積し、パラサイトには何ら有効ではなかったこと。

概ねこの3点を確認致しました。

常日頃からアロワナ上目は治験の機会を私どもも探していたものであり、治験に参加していただくことに致しました。

1月上旬に第一回目の発送をし、現在に至るまでの途中経過を画像添付していただきましたので、ここにご紹介を致します。

【治験初期】
アロワナ 治療初期全景
アロワナ治療初期2アロワナ治療初期1
アロワナ治療初期3アロワナ治療初期4

上記画像はスメルチ投与後、数日間経った時点のものであり、明らかに患部が浮き上がり、離脱をしはじめているというご報告で戴いたものです。
この時点での投入量は段階を踏んで等倍量(1リットル/1cc)量です。

【治験約14日目】
アロワナ治療現在4アロワナ治療現在3
アロワナ治療現在2アロワナ治療現在1

先の画像で浮き上がった米粒状のパラサイトは脱落し、既に生みつけられた体内の仔虫が浮き上がり始めたとのご連絡でした。
投与してからの改善は顕著で、明らかに有効であり、古代魚に於ける魚毒性無しという結論に至りました。画像の時点から濃度は2倍になり、現状も最後の駆虫を継続されております。

画像の比較で気が付いたのですが、ミズミミズも有意に減少しております。彼らのしつこさについては皆様既にご存知かと思われますので、これも効果として認めても良いかと思われます。

当初は尾部離断手術を受けた個体の入った水槽のみに投入していたのですが、飼い主様が経過を見て、ご自分のお持ちになっている全ての水槽に投入を行ったとのことでした。

アロワナ類に対しては私どもは門外漢的な部分が多いものですが、アロワナに於けるツリガネ虫症は非常に多いとのことで、皆様かなり苦しまれているというお話も伺いました。

今回、私どもが驚いたことは、リフィッシュ・マゾテンなど、本来アロワナには禁忌であるものを使用しても、彼らがパラサイトを宿したまま2年以上も生存していたということです。(マゾテンで処置した個体は一部落とされたそうなので無毒ではありません)これが金魚であれば、約1週間もつかもたないかであり、治療の判断をしている内に閻魔大王のところに放生されてしまうのが常です。
しかしながらスメルチを使えば、何ら慌てる必要はありません。
金魚への有効性については、十二分に、いの一番に確認しております。
エピスティリス症のアウトブレイク的大量発生は、金魚の場合、問屋や生産者などで頻発する現象です。
特に珍しい症例ではございません。
発生したら最後、治療以前にいきなり大量斃死を起こすので、発生元は消火ではなく「破壊消防」、すなわち(金魚を)絶滅させた上で池を「消毒」という極めて中世的な原始的対処に走りがちです。私どももこれら現象は大体春、各問屋や池でほぼ毎年のように観察し、内心、やはりこの業界には呪術やまじないの類が最後のよりどころになるのだな・・・、と、金魚の大量斃死の嫌さとその対処する人間の滑稽さとが遇い混ざる複雑怪奇な思いに囚われます。
池の四方に塩を盛りヘイソクを下げ、皆で拝むこととやっていることは大差が無いとも思ってしまいます。
金魚ならば春先で池ごとextinction!(絶滅)モードになるエピスティリスが、アロワナならば2年も治療猶予を得られるのです。
治療に際して長い時間をもらえる魚種であることはアロワナの優位性であると、痛烈に感じました。
これならば、例え一尾100万円以上しても、お金を払う価値のある魚です。
金魚の場合、高くて50万円程度の魚を買い、その魚が一ヶ月後確実に生きているかどうか?ということは断言できない生き物であり、一ヶ月もあれば何らかの疾病を発症したり、下手をすれば急斃死している可能性が極めて高いものであります。
その為、消費者は高い金魚など買う訳も御座いません。これらの弱い金魚を流通させているのは、他でもない現状の生産者及び問屋や一部愛好家達、そしてオークション・知識の無い販売店、ようは金魚界を構成する殆ど全ての要素が絡むものであり、自らの収益を自らどぶに捨てていると言われても反論する余地は無いものと思われます。
金魚に於いてこのような弱さを克服しない限り、経済性など二の次です。

自分たちが今後存続できるか否かの瀬戸際に立たされ続けているということを、遅くとも今からでも自覚しない限り、金魚の普及や採算性など夢物語です。
金魚を支えている・普及していると自称している方々のなかに少なからず散見するのが、数十年金魚に寄生し、駆逐できない頑迷固陋ニンゲン・パラサイトであるからして、金魚の未来は如何ばかりかとしみじみ思う次第で御座います。

話はそれましたが、古代魚については最適な濃度を模索している最中でもあります。
アロワナをはじめとする古代魚及び寄生虫症で立ち上げの困難なワイルドディスカスやその他希少なWC個体にはレッドスタースメルチは極めて有望であると治験段階からも確認されました。

続報は追ってお知らせを致します。


追伸:
私たち自身日本語が少しおかしいと最近感じております。
いわゆる「悪文」になってしまっています。
昔、阿部謹也先生の本を読んだとき、余りの複文に2センテンス進む毎に3センテンス前の内容を読み直したものですが、成る程、互換性のある複文は実に読みにくく、良くないものであるとしみじみと感じました。
立川昭ニ先生の簡潔明朗な美しい日本語と比較すると、良くなさかげんが染み入ります。
徐々に頭を日本語脳に切替えなおしていきますので、どうかご容赦下さい。

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