Y先生
キエフ、ドネツク=ルガンスク 1/3
キエフ、ドネツク=ルガンスク 2/3
キエフ、ドネツク=ルガンスク 3/3
産経新聞のマレーシア機撃墜事件総括について
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2014/8/1追記:本日、国際航空運送協会の(IATA)会長が、マレーシア航空機の墜落責任はウクライナ政府(ポロシェンコ大統領及び右派セクターとマイダン)にあることを表明致しました。これに伴い、キエフ政府側に資金援助をしていたアメリカ政府がどのような対応を取るか、注視されるところであります。
マレーシア航空機の犠牲者298名のご冥福と、一層の責任追及が行われることを心より願います。
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昨日CNNニュースでも報道されたとおり、
キエフ当局が住宅地に短距離弾道ミサイルを撃ち込んだことが「西側社会」でも認められました。
一部のアメリカ人の中には、ウクライナが核弾頭を保有していることを挙げ、
北朝鮮よりやばい緊急事態と大騒ぎをしている方々がいらっしゃいますが、
見れば見るほど「何を今更・・・」と。。
皮肉にも、エノラ・ゲイ号の最後の操縦士が亡くなった翌日に報道される結果となった訳ですが、
こんなニュースを必死に聞き取ろうとしている自分が心底馬鹿馬鹿しくなり、
途中で字幕があるのに気がついてそっちを流し読みしながらコメントの方に集中して、
必死に読んだことをどちらも後悔しました。
確かに自国に空爆も核弾頭も落とされていない&原発も本格的に吹っ飛ばしたことの無い
アメリカには大変脅威なのでしょう。
しかし、怖がるところはここじゃなくて・・・的な部分が多く、
どこから説明すれば理解してもらえるのだろう?と。そればかり考え込んでしまいました。
しつこいようですが、
本当に怖ろしいのは核爆弾よりも、極度に美化されたナチズム、そしてそれを支える資本です。

何故キエフがこんなことになってしまったのか?
春前くらいから自分の中に或る一つの国名が浮かび・・・、
これは正直、ドンバスの義勇兵の方々にもかかってくる部分でもあるので・・・、
明確な言葉にするのは止めようと自分自身の中でずっと思ってたのですが、
ウクライナ関連動画のコメント群の中で
「ロシアの韓国、ウクライナ!」という表現があり、ぁぁ・・・自分だけではなかったのか、と。
ここは「東欧の韓国」だな、と・・・、ずっと感じていました。
冗談と言えば冗談の部類なのですが、割と本気でそう思う部分もあり
1)極端に自己を美化した民族主義(自国史に自国民以外が認めない捏造の部分が多い)
2)起源主張
3)永遠の集団ヒステリーモード
4)隣国を未来永劫恨み続ける恨み文化
5)最後に言い負かした方が勝ち的なビッグマウスが美徳
(ティモシエンコ元大統領のフェイスブック等、私は驚きました)
この辺りが理由になります。
勿論、ドンバス地方の義勇兵の方々や、正常な思考能力を持つキエフ市民も
大勢いらっしゃいますので、その方々は除きます。
現状に至っては、まともな考えで意見を仰っている方が圧倒的に多いのです。
しかしながら、どうしても意見が擦りあわなくなってくる場に於いては、
根幹の部分に「ナチズム」があり、
特定の狂信的な方々は既に「民族浄化モード」に突入してしまったように感じます。

例えば、昨日は高齢者施設が砲撃され、入居者の多数が殺傷されるに至りました。
ルガンスクでは全ての保育園が空爆を受けた為、今現在通園可能な施設はありません。
産婦人科も空爆対象になりました。
味方にも容赦せず、ウクライナの警察官を全員嘘発見器にかけた結果、
2万人を解雇する結果となったことを【ウクライナのアヴァコフ内務大臣】が自分自身のフェイスブックで告知し、
右派セクターの若者達が賞賛し、彼らの顔写真及び住所と名前を全てアップするよう突き上げ、大臣もまんざらではないようです。

高齢者施設や保育園・産婦人科の空爆や砲撃は普通は隠すもので、
こういうときに良く日本では「ロシアのプロパガンダだ」という声が上がるのですが、
これらは全て、最初にキエフ側の人間がウクライナに栄光をもたらす華々しい戦果
「劣悪な遺伝子を絶った偉業」の一部としてフェイスブックやツイッターで報告し、
それに一気に右派セクター(マイダン)の人間が群がって讃えあい、
それをロシア人だけが糾弾するという、訳のわからない状況が半年近く継続しています。

警察官にしても、職務の遂行と自己の考えは乖離していて当たり前だと私は感じます。
それが人間というものです。
それを許さず2万人一気に解雇とは・・・、この中の何人が義勇兵に志願するのか、考えただけでも胸が痛みます。

「普通は隠す」というのは、これは世界的に見ても「一般的」な感覚ですが、
ここに誇らしさを感じ始めると、相当「異質な世界」の感覚となって参ります。
ウクライナの教科書では、ナチスドイツはヨーロッパ世界の救世主であり、
誰憚ることなく「世界は第三帝国(ナチスドイツ)を実は認めている」と公言される方が少なからずいらっしゃいます。
自分達で認めているうちは宜しいかと存じますが、
これの承認をEU各国に求め始めると、話しが相当狂います。
事実、youtubeを慎重に探すと、ドイツ人に囲まれて糾弾され困惑している右派セクターや、
プロフをだけを見たドイツ人に「第三帝国の新アーリア人」として自己の承認を求め、
狂ったように罵倒されつくす場面があちこちに見られます。
ドイツ人に否定される場面で特徴的なのは、彼らが「とても困惑している」ということです。
(ドイツ人は公の場ではナチスドイツは絶対に肯定せず「恥じている」のスタンスですから、ネオナチに対する反応、ましてや自分達を同属として見る論調には非常に厳しい反応になります)

「ドイツ人がバンデラ(ステパーン・バンデラの一派)を見る目」
2013年にドイツで放映された時代劇の1シーン。
ポーランド人の集落を襲撃した際、バンデラ派(青と黄色の腕章をつけている)が住民に対して悪辣なことを行い、ナチスの兵士ですら義憤にかられて思わず制止した・・・という場面です。

ウクライナの教科書では、自分達は「スラヴではなく新アーリア人」、
日本とイタリアと同盟を組んで互角に世界と戦ったことになっており、
右派セクターの中には、自分達の姿が外国人から見るとロシア人と区別のつかない「スラヴ」であることを認められない方々も実際多くいらっしゃいます。
特に日本人は彼らに「共に闘った新アーリア人の仲間」として無条件に喜ばれます
(批判後は別ですが・・・)この戦時下、キエフでは「寿司」が流行しています。
イタリア・ドイツ、双方がロシアへの制裁及びキエフへの支援に当初から及び腰です。この問題について当初から政府を挙げてキエフを支援しているのは、旧枢軸国では日本ぐらいです。
もちろん私たち日本人は、日本政府がこのような理由で支援を行っていないことは理解しています。しかしながら、海外からはどう見られても抗弁のしようがありません。


グルジアのサカシヴィリ元大統領夫妻とオバマ大統領夫妻(2009年撮影)
http://en.wikipedia.org/wiki/Mikheil_Saakashvili より引用

この時もアメリカは民主党だったんだな・・・と、画像を見て心底げんなりしました。
この事態の終着点としてグルジア型の解決策は絶対に避けるべき方法だと思いたいのですが、
既に、突然自国民を虐殺し始めたサカシヴィリ並みの判断力にポロシェンコ大統領がなってしまっているのかも・・・、という感覚もあり、
大方の議論にもサカシヴィリの話題が頻繁に出始めております。

どうしてでしょうか、オバマ大統領は勿論黒人で、
アメリカにはイスラエルにルーツを持ついわゆる「ユダヤ人」が大勢権力層に居るというのに、
何故堂々とキエフを支持できるのか??心底疑問を感じます。
そういう部分の矛盾を感じないことこそ、ナチズム自体が「誰かに作られた思想」であり、
自分達にそれが該当しないことを承知している証明であるようにも思われます。
本来社会主義政党であったナチスが選民主義を研ぎ澄ました結果、
資本主義の極地である現在のアメリカと同調してしまうのは極めて奇妙な話しであり、
新しい宗教が生まれたのかな・・・とも思います。

やっと西側の報道にちらほらとドンバス及びロシア側を肯定する内容が出始めて、
「やっとここまで」なのか「ここから開始」なのかわからないのですが、
風向きは確実に変わってきたように感じます。

罪の無いおびただしい数の民間人が殺戮され、
誰も非難の声を上げないという異様な状況「だけ」でも
一日も早く変えて行かなければならないものと存じます。
よもやこの異様な状況まで「ロシアの責任」などという
聞きなれたアメリカやキエフの発作に帰結させてしまっては、
「劣悪な遺伝子を絶つ」美名の元に殺された老人や幼児達、妊産婦さん方が
あまりにも浮かばれないと・・・、それだけは聞きたくないと切に祈ります。


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