古ぼけて黒くゑぐるもの
ひかりの微塵系列の底に
きたなくしろく澱むもの
――――宮沢賢治『岩手山』
身体の中が澱んでいる。
咳が止まらない。特に夜の咳込みが酷い。
寝不足が蓄積する。
五臓六腑のどの辺だろう。
どこかが濁っている。
8月、夏バテで衰えると、この症状が激しくなった。
今年の5月にも、この症状が長く続いた。
随分と病院に通ったが、とうとう原因が分かず仕舞いだった。
西洋医学の対処療法なんか、信じない。
私には分かっている。
都会の汚れた空気が、毒素となって体内に沈澱しているのだ。
幼いハイジはフランクフルト(都会)からアルムの山に戻り、一晩で恢復した。
でも、50を過ぎたペーターが都会に長く暮らしたら………
8月末、やっと北海道のヤマに出張できた。
里帰りも絡めて5日間―――
これで体力を恢復させるつもりだった。
でも、ダメだった。
もはやこの日数では毒が抜けない程、私の身体は澱んでいるのだ。
樹木に例えれば、こんな感じ
↓

樹勢が弱るとキクイムシに侵される。
その虫をキツツキが穿り出す。
穴だらけになった樹木は、ヤニを垂らして死んでいく。
仕事はなんとか済ませたけれど、
内臓から絞り出すような咳が続く、
活力が戻らない――
気分はもう

トリカブト………
体内の澱みが抜けるまで、ヤマに隠ってしまいたい

………コロポックルの椅子
気力が恢復すれば、25日以降の溜まったネタで、ブログをバンバン更新するつもりだった。
………でも、北海道から戻って一週間、
今なお咳が抜けない
ああ、都会のクララたちよ
憐れなペーターを励ましておくれ
と、
ここで終わってはあまりに辛気くさいので、ヤマの話題を一つ

↑
これは昭和25年に植えたカラマツ林。
向こうに見えるはオホーツク。
実はこのカラマツ、網走刑務所の囚人が植えたものだ。
この時代、刑期が残り僅かとなった模範囚を、労働力として貸し出すことが行われていた。
当時を知る先輩の話によると――
真面目に働く囚人に感心して、タバコをあげたら、看守にバレてその囚人の刑期が延びてしまった、とか。
丘の上に「網走監獄博物館」が出来たのは、それからずっと後の昭和60年。
私はここで草刈りの仕事をやっていて、模範囚と間違われたことがある………
というのは、また別の話