久しぶりにみれにゃん――黒沢美怜さん――の演劇を観に行った
演目に興味があったので、妻も同行した。9月18日のことだ
今回、写真がないので、これは以前の演劇で撮った黒猫みれにゃん
一人の人間の命がかかっているんだ、もう少し時間を掛けて考えてもいいんじゃないか?
映画ではヘンリーフォンダが主演した名作『十二人の怒れる男たち』
あの本格的密室劇をリメイクしたのが今回の舞台『十二人の怒れる女たち』
名作をアレンジすると、アレンジした分、つまらなくなる…というのはよくある話
でも、今回の作品はよく頑張っていた。充分に舞台を楽しめた
では、アレンジの肝はどこだったのか?
原作では、陪審員の一部が下町(スラム街)で育った少年への偏見を口にする
本作、現在の日本では……それが在日外国人に置き換えられている
いつの世にも、人間社会にはびこる差別意識――他者を貶めて自己のアイデンティティ、優越感を保とうとする
今、アメリカの大統領候補が盛んに煽り立てている
その見苦しさ……民主国家、アメリカってこんなに民度が低かったのか、と情けなくなる
そんな人間の闇部――ホラ、今の日本にも有るじゃないか!
作り手はそれを訴えたかったのではないか
自分にとって一銭の得にならないことでも……赤の他人のために、せめて数時間、一所懸命考えてみようじゃないか
ヒューマニズム――「人」として生きるための心懸け――とは何か、それが本作の主題だと思う
さて、この本格的な演劇での、みれにゃんの役どころ――粗雑な口振りの今風ギャル
舞台に現われるやいなや窓際(観客席側)の椅子に立て膝ついて座り「あ~ウザくてやってらんね~」と毒づく
表情は見事に歪んでいて、アイドルの片鱗もない
アイドルとは、いかに自分をチャーミングに見せるかに心を砕くもの
ここでの みれにゃんは、それをかなぐり捨て、役に没頭している
みれにゃん、一皮剥けたな――猫の脱皮?
と想像すると愉しくて笑みがこぼれた
ところが、演技が終わってカーテンコールになると、いつものバラドルが顔を出す
ひときわ豊かな表情でトークを盛り上げ、物販お願いしますと両手を合わせる
自ら決めたクールなつっぱりキャラを演じようとしていても……やっぱりマジメなお嬢さま、お人好しさが出てしまう
――それがみれにゃんの魅力である
その物販――メンバーチェキのガチャガチャを買ってみた
「全体写真です」「おおー、やったあ~!」
「……B班ですけど」
……こっちと代えてよ~(汗)
終演後、会場に現れたみれにゃんがファンと歓談していたので、女優・みれにゃんを褒めようと近づいた
開口一番「大丈夫?ちゃんと食べてる?」と聞かれた
私はあのー件以来、あのコに繋がる誰とも会っていなかった。そうして一ヶ月以上が経っていた
イベントであのコの話題を持ち出すのは、他のタレントさんに失礼だと考えていた(そして私の頭の中には、やっぱりあのコの心配しかなかった)
だから みれにゃんが、私の心情を汲みとるように話し掛けてくれたことに驚いた
そしてあのコの話だけで限られた時間は過ぎてしまった(後ろで会話の順番を待っていたファンもいたはず、申し訳ありませんでした)
みれにゃん、私はこの日、君を褒めに来たんだよ
もっと身勝手に、自分本位に、自分のことばっかり話してくれても良かったんだよ……
物販で買ったもうひとつの商品
『12人の怒れる女』の台本
我が家の愛猫、その台本を――
抱きしめにゃんこ