火學お七は
初演がもう34年前になる
非現実の物語だが
風刺が効いていて
今のこの現代の社会に対しても
与える影響が強い作品であるし
読めば読むほどに
よく出来た本だと感心する
物書きというのは天才だ
僕が稽古場で思うのは
甘えかもしれないが
苦しみたくない
終始楽しく終わりたいといつも思っている
でも中々そうはいかない
本番が迫ると嫌でも
支障を来す事がある
自分じゃなくても誰かが
沢山人が集まれば集まった分だけ何かある
それが面白いと言えば面白いというのかもしれない
段取りや何やら決まってくると
決まった分だけ息苦しくなる
決めるまでは自由で楽しいが
えらいこっちゃ
自分はまだ迷う
決められない
いやあっちじゃないのかと
自分の人生もそうなんだろう
決められないのだ
あっちがいいと
まだまだ夢心地なのだ
死ぬまでそうなのか
決められないのだ
夢心地のまま
ふらふらと生きている
そいうふうに今は見えている
子供のままで
ああそうだ
僕は面白いものを観たいわけじゃない
衝撃を受けたいのだ
自分の人間が変わるような
衝撃
大きなげんこつをだ
しかし面白いという言葉は曖昧だ
何が
どう
それが
だからだ
その言葉達すら
必要ではない気もするが
火事の素です
まるで火事です
あそこも火事
あそこにも火事
火の用心