
ナイロン100℃ session40th
結成20周年企画 第三弾
作 演出
ケラリーノサンドロヴィッチ
初演は2007年。今回は再演。
人間の冷たさ、残酷さ、不条理な事と共に、優しさと誠実さを描こうと。それらが等価に散財してるのが世の中だからと言う。
納得。
面白い芝居。ぐうの音も出ない。家族の話。闇。わが闇。そうだ。「わが闇」。
そうだ!と。ただ納得。
初演時、先輩達が騒いでいたから、気になっていたのだけど、初演も再演も調整出来ず、見逃してしまい、もう縁がないのだろうと諦めていた。
しかし、今回やっと観れた。これ生でその場にいたら、ちょっと楽しい空間を共有する事になったのではないかと思う。
プロジェクションマッピング。映像を使って、居ない人間をいるように映したりするから、何でも出来る。(ケラさんは、これまでもプロジェクションマッピングを少しずつ試している。)名前が長いな!そういう技術も沢山使って発達促進させているから、面白くないわけがない。
わが闇。
僕は今回、松永玲子という女優を観て知る事が出来、本当に幸せだ。そのような装置が発達するのと同じく、この方のお芝居には目を奪われた。現在使われている舞台女優という言葉のイメージや考え方が変わった。
わが闇。
大抵の人間は観て知ったような真似事しか出来ない。僕も然り。しかもそれすら出来なかったりする。でもまず知らなければいけないし。それはより沢山の事をだ。
これを書いて演出してるケラさんはやっぱり凄いな。見過ごせないし、とてもとても流せない存在。
わが闇。
随分前の奥様お尻で僕はやられてるけど、(あれは笑った。笑い疲れてもういいやと思ったくらいだ。)
改めてケラさーん!と、本当に正直、ぐうの音も出なかった。呆然とした。
先輩が目を爛々として僕に言うわけだ。役者ならそういう舞台に出たいと思うのが自然だ。売れてるから、敬遠しがちだけど、通り過ごすわけにはいかない。考え方や見方が変わる。そういう人に呼ばれる事を目標にしてもいいよね。
でも、冷静に考えれば、改めて道のりは遠いと打ちのめされる。
わが闇。
舞台の内容の説明なんて出来ない。ただ、ただ面白い!これ面白い!と観てあっという間に3時間が終わる。
それぞれの闇。
これは家族の話。
生きるのは本当に大変な事だ。大変でとてもしんどい事になってしまったんだ。それがあるから生きられる。
劇団を始めた頃に比べるとこの20年でそれぞれ皆、さまざまに身につけてくれて、耐えながらやり続けて、今、この位置に立ててる事。本当に皆に感謝している。年々辞められなくなっている。お互いに。
解散して1からまた出会って、やるとなると、こうはいかない。
だからもっと感謝したい。皆ももっと感謝していいと思う。スタッフやキャスト、お客様に。この出会いに、これまで、ここまでの今のここに。もっと感謝していいと思う。
終演後、ケラさんはそう答えていた。
ナーナナナーナー!カモン!カモン!カモンカモン!!
ナーナナナーナー!カモン!カモン!カモンカモン!!
ナーナナナーナー。

