oneor8「そして母はキレイになった」
を観劇。赤坂レッドシアターにて。
僕がワンorが好きなのは、皆、学生時代の同期でずっと一緒に今に至るまでやり続けてる所だ。きっと死ぬまでやるんだろう。いや、やって欲しいと思う。そういう仲間がいるってのは何にも変え難い事だと思う。この2日間は本当に元気をいただいた。そして作品からも。高橋恵子さんも然り、客演の保倉さん、小野さん、赤ペン先生、成田さん皆好感が持てるお芝居で、かけ合いが至極面白い。高橋恵子さんは僕がある時に、その自由な生き様に関心を持った凄く好きな女優の一人。妙な画像もお守りにしてるくらいだ。そこに居るだけでいいって思えてしまう。声を発するだけでね。その佇まいが女優でした。果たして僕らの世代で、あのくらいの年齢になった時に、ああいう感じになる人間がいるかと問われればどうしても不安に思ってしまう。それでも僕らには僕らのものがあるが。でもそう考えさせられるほど素敵でした。行動を疑視してしまう程の魅力がある。
話は高橋恵子さんが娘を二人産んだ後に、暫くして他所の男と家を出てしまう。娘が30年後もういい大人になり、次女が妊娠したので会いに来た。父帰るの母親版みたいだ。ここまではよく聞いたような話。でもそこがワンorは秀逸なんだ。細やかな部分で魅せていた。一日経って、高橋恵子さんの演じていた母の感じをふと思い出していた。その状況の気分はどんなだったか探ってみたりした。それが切なくて痛々しくて立つのもやっとだった。それがもし自分の事で、もし自分の母親だったのなら?正直もう生きてはいけないなと思った。あのラストには人の根に深く傷痕を残す絶望しかなかった。切なくて至極良いお芝居だった。あそこまでギリギリの所まで気丈に振舞っていた高橋恵子さんは、やっぱり凄いなと感心した。お前が言うなとお叱りを受けそうだけど実際そうなんだ。心に残る芝居というのはああいう事なんだ。でも、その他に全く関係の無い所の台詞で共感した。小野さんの台詞で「歳が老いるのをずっと見てられるのは夫の特権だ!」って強く言い切った台詞。良いね!と思いました。余韻がこうして残るお芝居。素敵な時間をありがとうございます。という事で。それにしても焼肉行きたかったなぁ。そしてやっぱり僕は馬鹿なんだろう。感謝感激!
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