満員電車が憂鬱だ。
コンビニで肉マンを頼んでピザマンが来るならまだしも、
もはやデザート枠に位置するあんマンを出された瞬間よりも遥かに憂鬱だ。
『あの、お客様…
あんマンにお箸はお付けになりますか?』
『…じゃあ、試しに2つお願いします(半笑い)』
『あんマンに箸を2つって、お客様…正気ですか?』
『お前は黙って奥の店長を呼んで来い。な?』
どうも、こんにちは。
詰まるところカレーまん派の僕です。
今さっき【僕】と打とうとして【ぼ】を押したのに、
自動変換機能で【勃起】が真っ先に出て来るこの携帯電話にも憂鬱さを隠しきれないが、
僕はそれよりも遥かに満員電車に対して憂鬱になっている。
仮に自分を中心として東西南北の人が全て巨乳美女であるならば、
むしろ『ありがとう』となるわけだが、
現実はそうはいかない。
良くておっさん。
悪くてパンパンのリュックを背負ったデブである。
その圧力たるや5分でほろっほろの角煮が出来るレベルであり、
僕の僅かな抵抗など無きものとして襲いかかる。
ならばいっそ流されるかと後方に身を預けようとしたら、
まさかの女性。
デブとデブに僕が挟まれるといった通称ホットサンド状態ならば、
『南無三!』と後方に身を預けてむしろエアバック的な働きを期待するところではあるが、
流石に女性と子供に対してはそれは出来そうにない。
ならばと踏ん張り、
目の前のリュックのゴツゴツと一進一退の攻防を繰り広げたが、
無理な体勢での踏ん張りもあってか、
勢い余ってよもやの屁が出てしまった。
しかも音あり。
屁として認識をするには充分といった、
改造バイクのマフラー寄りな炸裂音が奏でられてしまった。
そして、間髪入れずに後ろの女性から漏れる声。
『……くさっ』
ノータイム憂鬱。
ノーモア映画泥棒である。
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内容スカスカなんで『言ってやった』的なドヤ顔はやめて下さい。