知られてそうで知られていないマイナーメジャーで連載終わった漫画で間違いなく面白い漫画。正直もうストックは尽きた。ということで連載が終わっていない漫画も紹介したい。まあここから駄作になることはないだろうという願望も込めて。
さて、寿エンパイア。何漫画かと言うと寿司漫画である。料理漫画は大別して料理関連全般にまつわる人たちの人間模様を描く漫画と、少年漫画的に勝負勝負を繰り返す漫画の2種類がある。前者の有名漫画で言えば美味しんぼだとか、大使館閣下の料理人だとか近年ネットミームになりつつあるラーメン発見伝だとかがそれに当たる。
後者で言えば鉄鍋のジャンだとかビッグ錠の漫画だとか、ミスター味っ子だとか、過去にこの漫画紹介で紹介したきららの仕事になってくるわけで、この寿エンパイアは間違いなく後者の漫画である。基本的に困難・トラブルは寿司勝負で解決していくスタイルなわけだ。
正直この料理勝負というスタイル、嫌いじゃない。むしろ好きだ。美味しんぼでも一応至高対究極という料理勝負が繰り広げられていたが、はっきり言って判定方法があいまいすぎて勝負の体をなしていない。例えば雄山の卵料理のほうが美味かったが、山岡の卵料理を雄山の卵で作っていたら結果は違っていたから引き分け!とか、料理勝負は後攻のほうが有利やから雄山のほうが美味かったけど究極が先攻で不利やから引き分け!とか、ちょっと待て!!!と思わず言いだしたくなる結末ばかりである。
当然この漫画はそんなバカげた判定もなくより美味いと判断された寿司が勝っていくわけでそこでのストレスはない。というか基本的にそんなストレスは美味しんぼ以外に感じることはないのだが。
とにもかくにも基本的に勝負勝負と繰り返す、フォーマットは少年ジャンプのバトル物になっているわけだが、まあこれまたバトル物のテンプレのように色んな敵キャラが出てくるんだ。伝統を重んじるキャラ、革新的な寿司を作るキャラ、謎に包まれていた主人公と同じ握り方をするキャラ、闇堕ちしてるキャラだとか。
本当にバトル漫画なら食傷気味のこれらのライバルも、寿司職人としてバックボーンを一話割いて描くことでまあ生きてくる。この作者こんなに人物描写上手かったっけ?と感心してしまう。
作者のせきやてつじは過去にこの寿エンパイア以外にも料理漫画を描いていた。それがバンビーノという漫画である。俺ほどの人間になってくると、第一話を読んだ時点でこの漫画が売れるかどうかというのがわかってしまう。なんなら麻雀漫画のおうどうもんの時から既に思っていた。
過去作のバンビーノは、俺の漫画センサーにビンビンに引っ掛かり、これは売れる!と感じた。そしてその感覚は、羽山との料理勝負に勝った時に確信へと変わり、その後小学館漫画賞受賞やドラマ化などそれなりに売れた。まあ結局はバンビーノセカンドになってから急速に糞漫画と化していき、最終的には尻すぼみで終わってしまったのだが。
そういった過去の失敗があっての再び料理漫画であるが、正直良い。主人公に凄く好感持てる。立ちはだかるライバルも良いキャラしてるし、困難やトラブルもバンビーノセカンドの時のような、はぁ!?と感じることはかなり抑えられている(無いとは言わない)。
作中で太陽のようなと形容される主人公には自然と人が集まり、共に困難に立ち向かう。そう、そうだ、これなんだ。あの時の読者はバンビーノセカンドにこれを求めていたんだ。
そして出てくる寿司が美味そうである、という点。俺もええ年なってきて、それなりに美味い寿司屋も行ったりもした。一貫2000円とかの馬鹿高い寿司も食ってきた。さすがに銀座の時価の寿司屋なんかは行ったことはないけれど、まあそれなりに体験もしてきたのだが、出てくる寿司はほとんどが未体験の寿司である。しかし、与えられた情報から察するに、これ絶対美味いやんというのがわかってしまうのである。
まあなんやかんや言うて一応今も連載中であるが、まず読んでみて間違いはないと思う。お勧め。