多くの芸能人が来る中で、俺は大御所の俳優の方を指名したが、
『まぁ、待て。おっちゃんは紹介してやるけど、芸能で食っていくならそっちじゃねぇー、省吾に付け❗』(健)
省吾さんとはお笑いトリオで活躍し、今はバラエティー番組のMCとして、飛ぶ鳥を落とす勢いの人。
奥さんは80年代のトップアイドルだ
『健さん俺嫌ですよ、省吾って生意気じゃないですか⁉️』
『ヒロ、お前遊びでつくんじゃねぇーだろ⁉️芸能本気で取りに行くなら、おっちゃんより省吾だぞ‼️』(健)
『健さんがそう言うならわかりました』
湖畔で、省吾達が水上バイクで遊んでいる
『ヒロ行ってこい❗』(健)
『え、俺水着着てないっすよ』
『そんなの関係ねーよ、追っかけ行って付き人やらしてくれって言ってこいよ』(健)
『わ、わかりました』
これって紹介じゃねぇーじゃんかと思いながらも、私服のまんま水上バイクに乗り、省吾さんを追っかけては
『省吾さん付き人やらせて下さいよ~』
と1時間位喋り掛けたが、無言のまんまだった
『健さん、俺やっぱあいつ無理ですよ、ずっと無視ですよ、無視💢』
『つーか、面白い(笑)俺だって、誰だかわかんねー奴が洋服のまんまで、水上バイクで追っ掛けて来たら無視するわ(笑)』(健)
『なんすかそれ💢』
『大丈夫だよ、俺に任せとけ(笑)』(健)
省吾の幼馴染みでもあり、事務所の代表でもある春日さん
『ヒロくん、悪いこと言わない、省吾の付き人やっても何もないから止めた方が良いよ~』(春日)
『そうですか…』
『それに誰も続かないし』(春日)
『え、今何て?』
『いや、みんな続かないんだよ、3ヶ月ももたない、1、2週間でほとんどの子が辞めるよ』(春日)
『じゃあ、やりますよ🎶』
『え⁉️』(春日)
『誰も続いたことないなら、俺やります✨』
『面白い子だね、じゃあ省吾には俺から言っとくけど、ヒロくんは月に幾ら必要⁉️』(春日)
『幾ら⁉️いや、別に』
『住むとこは用意出来るけど、その他に幾らいる⁉️』(春日)
『いや、お願いしている身ですから、幾ら欲しいとは言えません、無きゃ無いで何とかします』
『ほんと変わってるな、だいたい20、30有ればって言うぞみんか、それでもみんな辞めるけど…じゃあ月10万な』(春日)
『はい、充分です。ありがとうございます』
こんな感じで俺の付き人生活はスタートした
壁の薄い寮に、ミスマッチのセンチュリーのリムジンを渡され、東京での生活がスタートした