劇団員として1年が経った頃

ここの劇団のトップの人を見た

俺はここに行きたいのか⁉️
この人を目指したいのか⁉️
考えてみた

俺に取って『役者になりたい』とは何なんだろうか⁉️

ただ『役者がやりたい』のならここでも満足なのかも知れない
でも俺には満足感はない

それはもっと高みを目指しているからだ
役者として、良い暮らしが出来なければ、俺の思う役者にはなれていない

そこを目指す人の全員がそうなんだろう
売れたくない役者や、売れたくないアイドル、売れたくない歌手などは存在しない

監督が、見る人が、俺が演じる芝居を見て、何かを感じる役者であり、そのバックグラウンドには俺の人生があり、そう考えたら、ここを出ないといけないと思った

一流を見なくて、一流には成れないと言う気持ちに溢れてきた


一方、自衛隊に入隊する前に親しくしていた山梨の兄貴も修行を終え戻って来ることになり迎えに行く事になった

激ヤセした身体は相当な厳しさを乗り越えた様に思えた

自衛隊とヤクザ、世間体は全然違う物でありながら、同じ様な物にも感じる

昨今『修行』等と言う言葉も聞かなくなり
『鍛える』と言う言葉は、時代遅れで『パワハラ』と言う言葉で片付けられている気がする。

自衛隊をやるにも、ヤクザをやるにも、社会人として仕事をするにも、入って直ぐにプロの仕事が出来る人間はそうはいない
プロ野球選手ですら、ずっと野球をやって来ていてもそうであり、厳しいキャンプをやる

ハードルを乗り越えないプロはプロではない
限界を超えない成功に喜びや感動は生めない

俺は一流に近付く為に、山梨と横浜を往復した
色々な仕事をしながらも、結果を出し続け役者で成功するよりも先にそれなりのお金を手に入れていた

乗っている車は外車で、運転手まで付けている
まだ24歳だ
お金を成功とするならば、この時点で役者ではなく、この仕事で充分食べて行ける自信はあった
しかし、『こじきと役者は1度やったら辞めれない』と言う言葉がある様に、気持ちがぶれることは無かった

仕事の成果と共に、芸能の入口を見付けた

ある場所に大御所の俳優、タレント、アイドル色んな人が遊びに来る場所があると言う

そこに先輩が連れて行ってくれると言う
その人に会ったのは、数ヶ月前だった

田舎の殺風景な街にネオンが眩しい雑居ビル
前の駐車場には新車のベンツS600がローダウンした何とも贅沢な車が止まっている

お店の店内に入るといかにも柄の悪い連中が一番良い席を占領している

ボーイに『健(たけし)さんっていますか⁉️』と聞くと、案の定そこの席を指で差した

まぁ、そうだよな😅と思いながらも
その席に行くと、
『あの~健さん?』

『そこ座ってな』(強面)

あれ~、誰?ここにいないの?
ランジェリー姿の女の子が席に付き
『いらっしゃいませ~健くんの知り合い?何飲みますか?』(ホステス)

『いや、自分飲めないんでコーラで』

『あら、珍しい✨』(ホステス)

そこにトイレからジャニーズにいそうなイケメンが出てきた
歳は俺より少し上ぐらいだろうか⁉️
不良と言うより、男前のお兄ちゃんだ
そう定時制の時の東先輩の様な
ジーンズにロンティーでファッションも不良ではない

『おう、お前がヒロか⁉️役者になりたいだって⁉️(笑)』(健)

『あ、はい』
この人が健さん?思っていたのと違うなー
でも喋り方は、不良だなぁ

『兄弟から聞いてるよ、お前こっちの仕事のセンスもあるんだろ⁉️役者何かより俺の若い衆になれよ(笑)』(健)

『嫌です❗』

『聞いている通りだな(笑)面白い奴だ、俺からしてみたらヤクザも芸能人も一緒だぞ、順番待ちしてたら、いつまでも偉くは成れないからな』(健)

『はい』

『よし、わかった、会わせる事はしてやるただ、通用するかしないかはお前次第だぞ』(健)

『あ、ありがとうございます、絶対に恥をかかすことはしません』

『それと期限を決めろ、ダメならこっちの世界で生きていけよ、それまでお前の運転手、俺のとこで預かるぞ』(健)

『流石不良ですね、俺の事はわかりました、ただ、運転手は俺の若い衆ではなく仲間なので本人の意思を確認させて下さい』

こうして、何の芸能界へのコネが無いところから僅か1年足らずで、接触するところまで漕ぎ着けた


若さとは行動力である
頭で考えるより先に、こうすればこうなるんじゃないかな?と動く
もちろん間違えることもある
人が通った道を通れば安全だろう

だけど、時にはその道は通行止めになることも、落雷が起きるかともあるかも知れない
でも、多くの人はその道を行きたがる

俺は自分だけの道を歩きたい
それが世間から『間違った道だ』と言われようが、後ろ指を指されようが、元々道を外した人間、叩けばホコリだらけ

それでも自分の正義を信じなきゃ、誰が俺の人生面倒を見てくれるのよ🎵ってな訳で、24歳まだまだブルトーザーの様に前進中