自衛隊試験に内定をもらい、後は健康診断を終え入隊を待つだけであった
健康優良児、腰痛があるだけでまさか自分が健康診断で引っ掛かるなんて夢にも思わなかった
血圧を計ると、何度計っても上が180ある
健康診断をしていると、慌てた様子で
『あれ、昨日全然寝てないかな⁉️ちょっと一旦横になって時間おいて計りましょう』
俺的には普段と変わらない1日であるから、寝て変わるものではないとわかっていた
血圧が高いのは遺伝と、この4年間の蓄積だろう
睡眠時間は少なく、精神的にもストレスの固まりだったかも知れない
しかし、せっかくまた夢に出逢い、新たなチャレンジの始まりに、健康診断に引っ掛かりまさかの自衛隊に入れないことになるとは
こんな挫折が待ってるとは思いもしなかった
でももう昔の俺ではない
自衛隊の地連に連絡を取り、どうしても入隊したいと伝えた
『映画を観て、兵隊から出てきて物語が始まるのに、兵隊に入れなかったら物語始まらないじゃない‼️』
『はっ⁉️』(´・ω・`)?
『そんなに入りたいなら、半年後にまた入隊試験がありますよ、君は入隊試験には受かっているので、健康診断だけパスしたら、半年後入れるよ』(地連)
『じゃあ、それで入ります、血圧落とせば良いんですね⁉️』
こうして、半年後に再び自衛隊入隊するために、玉ねぎを煎じて呑んだり、色々な事にチャレンジをした
そして長いようで長い、高校生活5年間がやっと終わった
せっかく夢が出来て、走り出そうとした気持ちが、この半年間実家にいるの⁉️と言う疑問を投げ掛けてきた
俺は実家が大好きだ
いつも忙しく働いているオカンがご飯を作ってくれる、洗濯もしてくれる、お風呂も沸いてる、なに不自由ない生活が今の俺には不必要であった
だって、生意気な事言っても
『あいつ、実家だろ⁉️』って言われたら、カッコ悪いじゃない
『そう言えば、確かに実家顔だよな』って言われたくないじゃない
幸せな環境を先ずは捨てよう
電話
『もしもし、坂?』
『おー、久しぶりだなぁー、元気してたか?』(坂)
『元気だよ!お前大学で山梨に居るんだって⁉️』
『おー、そうだよ』(坂)
『住所教えてくれよ』
『おー、いいよ、何か送ってくれるのか⁉️』(坂)
『いや、来週からお前のとこに住むからよ』
『…えっ👀⁉️』(坂)
坂は昼間の高校唯一の友達、退学して以来会ってなかったが、1年間の在学中に本気で喧嘩をした仲だった
翌週、地元の仲間に別れを告げて、Z31に少しの着替えと布団を積み、住み慣れた地元を離れた
地元には、いつも2人の仲間がいた
週に4回は地元のジョナサンに集まり、『最近のわけぇー奴らは』と文句を言い、自分達の将来や恋愛を語っていた
この仲間が、昔とは違う真面目で頑固な性格の骨格を作った様に思う
男の子は地元の友達を見ればわかる
って言う位、同じ頑固者で生真面目な奴らだ
このアホ達のお陰で、同じ子に3回も告白して3回もフラれた事がある
変なノリと、俺のサービス精神のせいだが
それなりの楽しい青春を送っていた
色々な想い出を胸に、初めて地元を離れた20歳
コンコン
部屋のドアをノックする
ガチッ
『オッス🎵』
『本当に来たの⁉️』(坂)
『目の前に見えてるのはお化けか⁉️早く入れろよ』
『いやー…、ま、いっか、しかし久しぶりだな🎵ヒロ丸くなったって噂で聞いてたけど、目付きも優しくなったな⁉️』(坂)
『坂は相変わらず、妖怪みたいな顔してるな✨』
『ここは霊の通り道だからなぁ~😱』(坂)
『マジそう言うのいらねーからな💢』
『(笑)ヒロはそう言うの苦手だもんな、いやー、懐かしいな🎵』(坂)
『坂はどうよ⁉️プロ行けそうか⁉️』
『行きたいけどな、実際は今の状態では無理かな』(坂)
『そっか、まぁ、悔いのないように楽しくやれよ✨』
『ありがとー🎵これからどうするんだ⁉️』(坂)
『明日駅に行く、そしたら本屋あるだろ?求人紙買って、バイト決めてくるわ🎶』
『凄いな行動力が』(坂)
『せっかく生かされてて、1回キリの人生だからなぁー、死ぬ前にあれやりたいこれやりたい何て言いたくないだろ⁉️』
『まぁな~、何か変わったな⁉️🎶』(坂)
『うるさい❗もう寝る』
『なんだよ、相変わらず勝手だな💢』(坂)
『あ、家賃は入れてやるから、エアコン位付けろよ』
こうして、独り暮らしではなく、居候暮らしが始まった
また、このたった半年の山梨での生活が、その後のヒロの人生に大きく変化をもたらすことはこの時はまだ知るよしもない