4年生になり、自分で願書を取りに地連に行った

『あのー、自衛隊に入りたいのですが』

『あ、はい、何の自衛隊希望ですか?』(地連)

『はっ?』

『陸上とか、海上とか、航空とか…』(地連)

そんなの全く考えて居なかった😅

『あ、じゃあお爺ちゃん戦争の時、パイロットだったので航空で』

『…大学卒?英語得意?』(地連)

『いや、高卒で、英語はまったく』

『…じゃあ受からないから他にした方がいいな』(地連)

『あ、そう言うもんなんすか?俺、何年かで辞めたいんです』

『え?あ、じゃあ満期制度が陸上自衛隊なら2年、海上自衛隊なら3年で、退職金も出るよ』(地連)

『じゃあ海上にしますよ、2年じゃ短いし、泳ぐのは出来ますから』


最初の就職活動はこんな感じであった


俺にとっては1人徴兵制であり、勤まらなかった昼間の高校生活3年であり、今後出来ないであろう、サラリーマン、公務員をこの3年に凝縮しようと思った

役者になって、『サラリーマンも公務員もやったことないのにわかったこと言うなよ』と思われたくなかったし、何より『お前には勤まらないよ』と言われたからである


俺は甘えん坊で、小学生から遅刻や忘れ物も多く、中学生から夜遊びをし、塾もクビになる、野球で入った高校も1年でクビ

自分で何よりだらしなくて、自分に甘い人間だと言うことは、誰よりも知ってる
そんな自分に自信が有るわけもない

だからこそ、自衛隊に入れば嫌でもしごかれ、嫌でも規律正しい生活をさせられ、嫌でも生活が変わるだろう
生活が変われば、気持ちが変わる、気持ちが変われば性格が変わる、性格が変われば人間が変わる

第2の夢が出来、後は若さで突っ走るだけだと思っていた

こんなにも早く壁にぶつかるとは、この時は思いもせずに