学校を退学になり、急にやることが無くなった
少し前に学校を辞めた悪友の幼馴染みがいる
こいつと2人で、プラモデルを作っては火で溶かす、と言うヤバイ状況に兄貴が見かねて
『お前らいい加減にしろ、スキーに連れて行ってやるから支度しろ❗』(兄)
『忙しいし』(友達)
『嘘つけお前らなんもしてねーじゃんか❗』(兄)
『怪我したらどうするんだよ』(俺)
『もう、野球もやってねーんだから、骨折したっていいんだよ❗』(兄)
『スキーウェアとか、ねーし』(友達)
『うるせーんだよ、そんなのジャージでいいんだよ❗』(兄)
渋々、大学1年の兄貴と兄貴の友達に連れられ急遽初めてのスキーに行くことになった
面倒臭いなぁ~と思いながらも、幼い頃に行った以来のスキーに、兄弟と友達だけで行くのはちょっとワクワクした🎵
今までは仲間とバイクで海に行くのが最高の楽しみだったが、車でスキーはちょっと大人になれた気がした🎵
スキー場に着き、1面の銀世界に興奮をした
『よーし、スキーの板レンタルして行くぞー👍』(兄)
『ねぇ、みんなスゲー温かそうなの着てるけど、俺らは本当にこれでいいの⁉️』
『大丈夫だよ、やってれば暑くなるんだから』
まあ、リフト代や板のレンタル代も出して貰っててウェアレンタルは言えないよなとなり、地元のスゲー子がちょっと滑りに来ました位のノリで、ゲレンデに出た
兄貴達は慣れたもんで、板を履いたらそそくさとリフトに行こうとする
『おい、置いていくのかよ、教えないのかよ⁉️』
『上に行ったら教えてやるから、早くリフト乗れよ』(兄)
『こんな板付けてどうやって歩くんだよ💦』
何とかリフトに乗り、降り方も教えて貰えないまま、見よう見まねで頂上に着いた
ところが、上級者斜面👀
兄貴達は普段生意気な俺等に一泡喰わせようとしているのだろう
友達は脚がすくんで動けない
『よーし、やったろうぜ✨』
『お前ら適当にやってて、俺等滑ってくるから🎵』(兄)
初心者2人を完全放置プレーだ
ボウゲンすら教えて貰っていない状態で、見よう見まねでジャージの2人が『えっ、1ミリずつ動いてます⁉️』みたいな感じで雪山から降りて来ている
中間まで何とか降りてきた2人だが、疲れて休憩していた所が、皆が居たので休憩するとこだと思っていたら、ジャンプをするコブがあるところのスターと地点だった
立っている姿は、地元の凄い子達だ
ジャージで行っちゃうの⁉️みたいな目で皆は見ている
座れないのはジャージだから、雪に座るとビッショリになって寒いからだ
凄く自信のある上手そうな顔をしているのは、ビビっている姿を見せたくないだけだ
間をとれば取るだけギャラリーが増えてきた
皆が『何⁉️』みたいな感じで視線の先を見るとジャージ姿の15歳16歳だ
それは皆が勝手に凄いジャンプを想像するのは勝手たが、
『あいつ等何してるんだ⁉️』(兄)
逃げれる状況では無かった
『俺が行くわ』
直滑降でコブに一直線
凄いジャンプと共に、気持ちの良い位、綺麗な青い空が見えた⛅
次の瞬間、鈍い音と共にお尻に激痛が
『うわっ』
周りを見渡すと30人以上は集まっていたギャラリーはクモの巣を荒らす様に誰も居なくなっていた
ちょっとスパルタではあったが、最高に楽しく、最高にドキドキする体験だった
今までは井の中の蛙だった
凄く狭い世界の中で、自分の世界を造っていた
まだ15歳
もう悪いことはしない、夢もない
仕事をしよう🎶
そこから何かを見付けよう✨
大人は働いてお金を稼いで、免許も車も手に入れられる🎵
スキーにも行けるし、いっぱい遊べる
親とも話をし、仕事を探すことにはなったが、高校位は出ときなさいと説得され、働きながら夜学校に行くと言う生活が始まった
仲の良い幼馴染みとは、一緒にいるとまた悪いことをするかもと別々の定時制に行くことになった
バイトはお好み焼き屋で働く事になった
新しい人生の始まりだ
何かが終わると言うことは、何かが始まるchanceだ✨
その時は、始まる期待より、終わった絶望感の方が大きいかも知れない
でも、若ければ傷は直ぐに癒える
若さは失敗も恐れない
若さはどこにでも行ける
子供が、壁にぶつかっても、挫折をしても
親は何もしなくて良いのだと思う
ただ見守るだけで、這い上がる力を誰しも持っているのだから