中学に入学
スイミングを辞め、野球1本でと言う順調に行って野球で甲子園を目指せるくらいになれば良いなぁと期待されていたかどうかはわからないが、先ず小学生とは違う上下関係が待っている

クラスには幾つかの小学校から集まった初対面の子達
まずは身体の大きい子を見つけ挨拶
腰の低い子は仲良くする
ちょっとでも生意気な態度を取る子には
『プロレスごっこしようぜー』と痛め付ける

こんな奴は先輩に痛め付けられれば良い
新入部員となったヒロは初めて先輩と御対面
ちょっと威張った2年生が睨みをきかして1年生一人一人を見渡している
『おい、お前ポジションどこだ?』
後輩が出来たからって威張るなよ❗
と思いながら俺の前で止まる
『あっ、お前ぇ』
『あっ』
やばい、小学生の時に喧嘩をした相手だ
『なんだ、お前野球やってたのか?』と他の子とは明らかに違う優しい声で接してきた
『えっ』
この次の日には、わざわざ1年生の教室に上級生がエナメルのベルトとボンタン(改造ズボン)を差し入れしてくれた。

良くない、良くない、中学1年生と言ったらガッチリ先輩にしごかれなきゃろくな大人にならない

あんなに可愛かった子が、中学に入って制服と言う、みんなと同じ格好をさせられ規律正しく学校生活を送るはずが、今のゆとり教育の上を行く、おもてなし教育を受けている。

とは言え、みんなが優しい訳でもない
この時代、少年野球ですら、水道の水を10秒しか飲めないと言う訳のわからないルール
中学の野球では練習中もちろん水も飲めない
そして先輩の打った柵越えの打球を追い掛け、公園で水を飲む
何度もやっているうちに、先輩に感ずかれる
『お前ら、ボール取りに行く降りして水飲んでるだろ⁉️』
『いいえ飲んでません‼️』
『唾吐いてみろ』
ペッ
『みずみずしいじゃんかよ❗💢』
『そう言う体質なんです』
『嘘つくな‼️ケツバット』
こんな時代だ(笑)

学校の廊下をガムをクチャクチャ食べながら徘徊していると、学年主任の先生が
『おい、お前ガム噛んでるだろ⁉️💢』
『えっ? 噛んでねぇ~よ🎵』
『嘘をつくんじゃない‼️💢』

『どうしたんですか⁉️』
そこに担任のガマガエルの様なおばさんの先生がやってくる
『いや、ヒロが学校でガム噛んでるんで注意したんです』
『ヒロくん本当なの⁉️』
『噛んでねぇ~よ』
『嘘つくな💢』
『癖なんだよ、癖!ガム噛む癖』
嘘だ、中学1年生にしてこの残念さ⤵️
何と情けない状況だろうか
このままこの子の人生は、負けてもいないのに敗者の方に転がって行くのだろうか

その時、おばさん担任のガマガエルが
俺ではなく学年主任の先生に
『貴方、ヒロは噛んでいないっていってるでしょーがー💢😠💢』
えーーーー👀
もの凄い勢いで、強面男の先生を怒鳴り付けた
いやいやいや、どう考えてもこの状況、俺の有罪率100%じゃないですか?

俺はこの状況にガムを慌てて呑み込んだ

学年主任は
『えっ、まぁ、そこまで先生が言うのなら』
ガマガエルの勢いに負けて、退散していった

『アイツ偉そうに、ね、学校でガム噛んじゃダメよ』

完全にこの先生には完敗だ
先生ってスゲーって思った