スイミングと野球の毎日
野球の朝練には寝坊することも多々
学校が終われば毎日スイミング
勉強が嫌いな訳ではないが、机に向かうと熱がでる
家では特に『勉強しなさい❗』と言われる訳でもない。
スイミングは好きではなかったが、結果が出てしまうので周りからの期待が凄かった
野球はお世辞にも上手い方ではなかったと思う。
ただ、スイミングと違うのは独りの戦いではないと言うこと
自分のミスで負けることもあれば、誰かのミスを自分の活躍で助けることも出来る
この差にどっぷりと野球にのめり込んでいった
元々友達がいない性格にもあるのかもしれない
『キャッチボールしようぜ🎵』が仲間の合図だ
少年野球のチームはほとんど負けることのない強いチームだった
レギュラーになるには、試合で結果を出すには、人以上の努力が必要だった
道路を挟んだ小さな壁に、壁当てをしたり、手にいっぱい豆が出来てもマスコットバット(通常より重いバット)での素振りは欠かさなかった
親に『いつまで練習してるの?早く寝なさい❗』と言われることも多々あったが、上手くなりたいが為に泣きながら素振りをしていることもあった
努力が直ぐに結果に出るわけでもない
その日の試合は、3打席立ち3打席三振
いつになく結果が出ない😢
レギュラーでもない僕は次の打席代打が出されてもおかしくない状況だ
次の打席が回ってきた
『何やってるんだ、行ってこい』
もう一回チャンスを貰えた
今までの打席と同じ様におもいっきり振った打球はレフトのフェンスを大きく越えていった
たまたまだ
でも努力あってのたまたまだ
野球はよく『筋書きのないドラマだ』と言う
他の時間で戦うスポーツとは違い、最後の1アウトを取るまでゲームはわからない
そんな体験を何度も経験した僕は野球の虜になっていた。
小学生もいよいよ終わりに差し掛かる頃、中学に上がってスイミングをやるか、野球をやるかを選ぶかの時がやって来た。
『やったー、やっと水泳辞めれる🎵』と思う気持ちとは別に、周りの大人達の反応が違う
『本当に水泳辞めるのか⁉️』
そう言ってるじゃん
『ヒロならこのままやっていれば、オリンピックも夢じゃないんだぞ』
沢山の大人に何度も何度も、何日も掛けて説得させられたが、気持ちが揺らぐ事はなかった
その数年後、一緒に泳いでいた子がオリンピックで8位入賞を果たしたが、水泳をやっていれば良かったとは思えなかった
自分独りの栄冠より、仲間みんなで取った栄冠が何よりも自慢だった