長いこと、けいちょんチャンネルを見続けていて、未だにしばしば不思議に感じるのがディレクターのチャバネ松本の言動だ。この男は一体なにを考えていて、なににこだわっているのか、というのがよくわからなかったりする。そういう場合は経歴を整理するのが良いと思うので、まとめてみた。
チャバネ松本/松本泰治(まつもとたいじ)
1976年10月10日生まれ、大阪府大阪市生野区鶴橋出身。3つ上の姉がいる。小学生から中学生の間は奈良県に引っ越す。子供の頃からエレクトーンを習い、後にピアノを弾くようになる。中学生の時にはサッカーに没頭し全国大会にも出場するも、強豪校である奈良育英高等学校から声がかからなかったことでサッカーを辞める。
関西大学第一高等学校に入学し、高校からは従兄弟に影響されサーフィンを始める。その後、関西大学に入学。学生時代はテレビでとんねるずなどを好んで見ていたが、お笑いについてはそこまで関心があった訳ではなかったという。後に関わることになる『めちゃイケ』のことに関しても、当初はよくわかっていなかったという。
大学を卒業後はバラエティ番組の制作に携わることを志望し、1999年に22歳で制作会社「アズバーズ」に就職する。入社後すぐにアズバーズからフジテレビに出向となり『めちゃイケ』に配属される。ADとして働き続け、2004年の秋にディレクターになる。2009年にはアズバーズを退職しフリーになる。その後もチーフディレクターとして2018年まで『めちゃイケ』一筋で働くことになる。
『めちゃイケ』終了後は、『爆笑ヒットパレード』や、『ENGEIグランドスラム』、『THE MANZAI』などに携わり、2019年には極楽とんぼの番組『極楽とんぼのタイムリミット』(AbemaTV)にもディレクターとして参加し、番組内ではじめしゃちょー宅に訪問したことをきっかけに山本圭壱と『けいちょんチャンネル』を開始させることになる。同年、映像制作会社「LINGUS(リンガス)」を設立。2020年に、けいちょんチャンネルで竹原テレビとコラボした際に、マッコイ斉藤の部下とスパーリングして敗北したことによって「チャバネ松本」という名称を使用し続けなければいけなくなる。
以上が、おおまかな経歴になる。ちなみにリンガスの社員には、おなじくめちゃイケでかつてADとして働いていたミトベDと、2021年に入社したAD角ちゃんがいる。2023年にも新入社員が3名いると聞いている。
経歴で重要なポイントはやはり「実は音楽をやっていた」というところと「実はお笑い通とかではなかった」というところだろう。お笑い脳で考えているようで考えていない。だけど、めちゃイケイズムは骨の髄まで染み付いている、という動機と実績が1人の人間の中で噛み合っていないところがある。ニューヨークチャンネルでのチャバネ松本インタビューにおいて、重要と考える部分を文字起こししてみた。
ニューヨーク屋敷「普通にバラエティやりたくてアズバーズ入ったんですか?」
チャバネ「そうそうそうそうそう」
屋敷「どういう番組とか見てたんですか?」
チャバネ「やりたかった番組?俺『LOVE LOVE あいしてる』をやりたかったの」
屋敷「どういうことですか?大学のときに『LOVE LOVE あいしてる』見てて『ここ行きたい』と思ったってことですか?」
チャバネ「見てて…えっと、もうちょっと言うと、『テレビ業界に入ってどんな番組を作りたいか』って言ったときに、いろんなバンドからいろんなセクションの人が集まって、例えば僕やったらチェッカーズ世代やから、チェッカーズのドラムがいててとか、なんかのバンドのベースがいててとか、ギターがいて…っていうのを集めて、番組やりたいなって思ってたの。そしたら『LOVE LOVE あいしてる』が始まったの、大学生ぐらいのときに」
屋敷「大学のときにお笑い好きとかバラエティ好きとかはわかりますけど、明確にこんな番組やりたいまであったんですか?」
チャバネ「あった。一瞬ね。その、業界を目指してからの話だったと思うけど。で、音楽をやってたから。ピアノやってたんですよ。俺ショパンまで弾けるんですよ、実は」
屋敷「今後どんな感じなんですか?松本さん的にやりたいことは。もういまやれてる感じですか?やりたいことは」
チャバネ「うーん、けいちょんフェスで音楽的なこともなんか…」
屋敷「あ、そっか、そもそもの『LOVE LOVE あいしてる』の。そういうことか。だからあんな歌うたうんや。あんまり知らん歌。みんなが知らん歌めっちゃ歌うのは松本さんかい!諸悪の根源やないっすか。とんでもない2人がやってるやん。松本さんと山本さんっていう」
チャバネ「ベースはでも山本さんじゃないですか?山本さんのショーパブの頃のあれがあるから」
屋敷「でも、根っこはお笑い少年とかじゃないんですね、松本さんは全然」
チャバネ「ないっすね」
ニューヨーク嶋佐「いまだからその、当初のやりたいことをやれてるんですね。やりだしてるっていうか」
チャバネ「やろうとしてるのかも知んないですね」
「けいちょんフェス」への提言 で、チャバネ松本は『夜もヒッパレ』のような番組をやりたかったと言っていたと書いてしまったが、実際は『LOVE LOVE あいしてる』の誤りであった。お詫びして訂正する。いずれにせよ、根本的には音楽系の番組ないしコンテンツを作りたいという意欲があるのかもしれない。かもしれない、というのは、本人が「やろうとしてるのかも知んない」などと濁しているので、結局どこまで本気なのかがわからないのだ。それとは別に気になったのは、「暇だと嫌」という発言があった。内容どうこうではなく、とにかく自分を忙しくしたいという観念があるようなのだ。
『LOVE LOVE あいしてる』風のコンテンツを作るというところに話を戻すと、けいちょんをKinKi Kids、中でも堂本剛的なポジションにするしかなくなる。KinKi Kidsでは堂本光一が司会っぽい感じだったので、そこから話を拡大していくと、もうひとり司会ポジションができるレギュラーが必要だろう。ここは鈴木紗理奈に任せよう。そして吉田拓郎的な実績と権威があるミュージシャンも欲しいし、更に篠原ともえ的な若い女の子でやかましくて歌える人も欲しい。バックバンドは、け'zでもいいのだが、そういうところにもまた実績のあるミュージシャンをねじ込んでいくべきだろう。武田真治もサックス奏者として腕は確かなので十分ありだ。構成としてはやはりトークコーナーも重要だ。トークをベースにしつつ、トークと関連付けながら歌を導入する。曲も自前の曲だけでなく、やはりカバーも欲しい。知らん曲だけではキツい。
…という、半ば『LOVE LOVE あいしてる』のパクリ企画をけいちょんフェスでやるのならばまだ楽しむ余地があるが、出演者から構成、内容にいたるまで『LOVE LOVE あいしてる』とはかけ離れているので楽しめない。予算や著作権などいろいろな壁があるとは思うが、ゲストを混じえるのであればカバーを中心にしたほうが良いだろうし、そのゲストが音楽を好きでなければいけない。現状のけェスでいうとお笑いネタコーナーはいらないだろう。ネタの代わりにトークコーナーを設けるべきだ。
けいちょんフェスを『LOVE LOVE あいしてる』に近づけていきたいというのであれば賛同しないこともないが、まずはそれが本気なのかどうかが知りたいところだ。惰性でもなんでも忙しければそれでいい、というスタンスだけでは賛同できない。
出典:
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