リリー・フランキー
東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~

図書館で予約を入れて

200人待ちくらいでやっと届いたベストセラー。

期待が高まるのを感じながら読んだ。

以下ネタばれも多少交えながらの感想になります。



リリー・フランキー氏の自叙伝そのもののこの本。

父親がよく言えば破天荒、悪く言えばどうしようも無い人なせいで

主人公はほぼ母子家庭のように生きる。


幼少期から現在までをずっと追っかけているのだが、

大学入学以降が特に面白かった。

話が面白いのはリリー氏の生き様がすごいだけなのだろうか。



高校までテレながらも母親のありがたさを感じているのに

大学でだらけてしまう主人公。

どこまでも母親を頼り、留年してしまう主人公。

卒業して働くのかと思いきや、

食べるのに困るぐらいの貧乏なプータロー生活を送る主人公。

オトンの「プータローも5年続けなきゃいかん」というのは

結構、面白い。

5年続けれる人ってなかなかいない。

みんな妥協して就職すると思う。


ここまでは母の愛と懐の深さがにじむ。

親だから当たり前なのかもしれないけど、

あまりにも見返り的な結果を求めないオカンの愛に

ただ、すごいという言葉が続くばかり。

特にこの本のオカンは徹底的に見返りを求めていない。

なのに、だから、主人公はこの時点では

いろいろと親に恩返しができていない。

ただ、それでもよかったんだと後で気づくことになる。



末期ガンと戦うオカンの頃になると

主人公は世間的な成功は少し収めつつあったりする。

全てがうまく回る時間、

健康も成功も手に入れた時間は長く続かないもの。

主人公は幸せなときから少し感づいていたような。


人生に限りがあるのは当たり前だが、

「命、ここまで」と宣告されて生きる時の心情というのは

本当に本当に苦しくて、怖い、と思う。

それは家族にとっても一緒なこと。


「余命○年」という宣告が無い限り、

親の死を、親が生きている間にリアルに考えることというのは

あまり無いことだと思う。

現代医学が進歩したことによる、

人類が抱えた新しい問題なのかもしれない。

決められた「その日」に向かって

どうやって生きていくのか。

決められた「その日」をどうやって受け入れるのか。


そんなのわかる分けない。今のところ。


主人公もそうだったと思う。



「その日」のあとにオカンの友達がいっぱいいっぱい詰め掛けて、

いろんな思いが主人公の頭を巡った後、

古代から脈々と続く人類の道を歩むことになる。

順番に親の死を受け入れて、

それでも人は生きていく。


何があっても、

とりあえずは生きていくということは

先に亡くなった人に対しての思い・敬意も含めて、

大切なんだと思う。


あまり理屈で考えるより、

大切なものはすぐそばにあって、

それを大事にしたほうがいい、

ということを教えてくれたような気がする。


オカンは人生において

非常に大切なものの

ひとつである。


この本の値段は1575円。

あわせて67373円の節約になりました。