劇団ひとり
陰日向に咲く

5つの短編小説がおさめられている本。

それぞれが独立した話なんだが、

実は登場人物が前の話の人だったというように、

微妙に絡み合っている。

この前読んだ「その日のまえに」もそうだったけど、

こういう、短編どおしを微妙に絡める手法というのが

流行っているのだろうか。

読み手としては、登場人物に感情移入できているときは

非常に面白い。知り合いが出てきたような感覚を持てる。



5つの話の主人公は基本的に駄目人間。

ギャンブルのために借金を重ねる人間があまりにも

ありがちな駄目人間で印象的。


最近、ものすごく前向きな成功者と

本当にダメな人間が増えてきている気がする。

21世紀はそういう時代なのだろう。

この本は21世紀らしい、本当にダメな人間を描いている。

救いも用意してあるのが、ありがたい。



自分はまだどちら側に落ち着いていくかは見えていない。


この本の値段は1400円。

あわせて46824円の節約になりました。