2020年8月12日のお話。

エンジンのポート加工というと2ストのポート加工が一般的でパワーアップには欠かせない加工ですね。
でも2ストエンジンほど劇的なパワーアップはしないのですが4ストエンジンでもポート加工はもちろん効果があるんですよ。


どれぐらい効果があるのかはエンジンによって変わってくるのでどれぐらいパワーアップするのかノーマルのハッキリとは言えませんがノーマルエンジンと比べたら確実に良くなるんです。

ポート加工といっても、いろいろとあってインテークマニーホールドやマフラーとの段差を無くしてキレイに形を整える段つき修正。
この場合は加工も短時間で済み、難易度も低いので初心者の人がはじめて加工するのにも向いてますね。
 

ただ効果が少ないので自己満足的な加工になるんですけどね。
でも、こうした小さい積み重ねがあとあと効いてくるのでやって損することはないと思うんですけどね。

ポート加工のメインと言えばやっぱり拡大、形状変更なんですね。
当然のことですが拡大といってもただ大きくすれば良いワケではありません。

吸気側であればキャブやスロットルバルブの口径とバルブシートの内径で決まってくるんです。
キャブやスロットルバルブの口径が大きくてバルブシートの内径が小さくなってるんですね。
バルブシート側に向けてだんだん小さくなるようにテーパー加工していくんです。

排気側も考え方は同じでバルブシートの内径が小さくマフラーの取り付け口の口径が大きくなってるんですね。
バルブシートからマフラーに向けてテーパーで広がっていくようにするんです。

普通で考えたら当たり前のことなんですが、メーカーが作っているエンジンであってもポートの内部は広くなってたり狭くなってたりと大きさが変化してるんです。

そうするとガソリンの流れや排ガスの流れ方がはやくなったり遅くなったりと変化してしまい効率良く流れなくなるんでエンジンのパワーが落ちてしまうんですね。

ガソリンや排ガスの流れを効率良く流れるように加工するのがポート加工なんですよ。

ハイパワーなSSやメガスポーツやモトクロッサーなんかはメーカーがきちんと効率を考えて作っているので手を加えるところは少ないんですが、全くてを加えるところがないっていうワケではないんですね。

最終的には手加工でやらないとできない部分というのがあるので加工すれば効果は確実にあるんですよ。

今回のモンキー、ゴリラ用のキタコシリンダーヘッドのポート加工を例にどうすればパワーアップするのか説明します。

キャブの口径は26mm。
インマニの口径26mm。
シリンダーヘッドとインマニの取り付け口19mm。
吸気バルブのシートリング内径が22mm。
吸気ポートの内部はデコボコ。

途中のところが一番狭くなってて全然キレイなテーパーになってないでしょ!


太い細いを繰り返してるんで空気の流れがはやくなったり遅くなったりするんですよ。
一番ひどい部分がシリンダーヘッドで空気の入り口側が大きくて出口側が小さくなってないといけないのが逆になってるんですよね。

だから効率が悪いしパワーが出ない。
効率が悪いから燃費も良くないんですね。

パワーも無くて燃費も良くなかったらほんと良いとこないですからね。

シリンダーヘッドの不具合を修正するためにポート加工していくんですね。
ポート形状でパワーを優先させるのかレスポンスを優先させるのかといったこともできるんですが、基本的な考え方は入り口側(インマニの取り付け口)が大きくて吸気バルブのシートリング側が小さくなるように加工するだけです。
 

重要なのは途中で大きくなったり小さくなったりしないように加工するときに注意するだけなんですよ。

特別な知識や技術が必要なワケではないんです。
小学校の理科のレベルじゃないですかね。
おっさん自体賢いワケではないけど空気や水のの流れぐらいはわかりますからね。

ポート加工というと特別な知識が必要なんじゃないかって思うかもしれないけど4ストエンジンの場合は空気や水の流れがわかれば意味がわかると思うんですよね。

キャブやスロットルバルブから燃焼室に向けて勢い良くガソリンを送り込むためにテーパーで小さくなっているだけですからね。
排気は逆の考え方なだけです。
エンジンの仕組みというと難しく考えてしまうんですが単純なのがわかってもらえたんじゃないかなって思います。

モンキーやゴリラのエンジンってシンプルなんでほんと教材には最適のエンジンなんですよ。
メカに興味があるなら4ストエンジンの仕組みを覚えるのには最適ですよ。

こんな感じでポート加工していくんですが、このキタコのシリンダーヘッドは削りしろが多くて思ったよりも大変なんですよね。
まだ途中で荒削りも終わってない状態。
今週中には仕上げてほしいって言われてるんでこれからザクザク削っていきます。