2020年6月29日のお話。
軽く洗浄して排気バルブの仕組みをチェックしてみました。
2枚1組になってて1枚はシリンダーに固定となっています。
洗浄してみると写真左側のバルブが少し回ってシリンダー内に飛び出してたみたいです。
シルバーになってるところがピストンに当たってたところですね。
シリンダー内に飛び出しピストンを押していたために圧縮も漏れていました。
その証拠にポート付近にカーボンが付いています。
正規のバルブの位置
バルブが回って付いていた状態
モーターシャフトが回ってレバーを押し上げてもう1枚の排気バルブを上げる仕組みになってるみたいなんですがワッシャーが1枚入ってます。
実はこのワッシャーは元々は入ってないワッシャーなんです。
たぶんレバーと繋がっているシャフトとバルブ部分の穴が大きくなってガタが出てるから入れたのかなと思います。
スズキの排気バルブは通称ギロチンと呼ばれてて、排気バルブがシリンダーの中に出てしまいピストンを削ってしまう欠陥があるんですよ。
ピストンに傷はなかったのですが全開にならなくて中途半端なアクセル開度で走ってるとカブってきてエンジン止まりそうになってくるんですよね。
林道を走ってるときは特に問題ないけど、林道に行く道中は下道なんで非常にツラいんです。
カブらないように気を付かいながら片道50キロは結構厳しいものがありますからね。
ギロチンにはなってなかったけど、固定されている排気バルブが回っているという、珍しい現象でピストン押されてたんですけどね。
ちょっと話がそれましたが、排気バルブとレバーシャフトの穴にガタが出てシリンダーに出てしまうというのが、この排気バルブの弱点みたいです。
前の持ち主がシリンダーに排気バルブが飛び出さないようにワッシャーを入れたのではないかと推測できます。
ただ、ここにワッシャーを入れると排気バルブを調整する合わせマークがズレてしまうんですよ。
このズレを知らずに合わせマークにピッタリ合わせてしまうと排気ポートは全開にならないんですよね。
全閉の時に合う位置がこれだけズレてました。
このズレの分だけ全開時に開かなくなるんです。
見た目はちょっとだけだけど、ポートは閉じられているのでパワーが無くなってしまうんですよね。
キッチリとマニュアル通りに組んでいたために全開になっていなかったみたいです。
排気バルブ自体もシャフトが通る穴が大きくなってガタが出てるから本当なら新品に交換したほうが良いのですが、この排気バルブ廃盤らしいです。
最近、こんなんばっかりですけど。
あったとしても部品代が2、3万円するらしいので新品買って直すつもりはありません!
これで排気バルブが全開になっていなかった原因は解明しました。
排気バルブのシャフトが通る穴はガタがあっても全開になってシリンダー内に飛び出さなければ問題は無さそうなんで新品に交換しなくても大丈夫ですけどね。
スズキだけじゃなくて、この時代の2ストは各メーカー排気バルブの不具合が当たり前になっています。
排気バルブがキッチリ開いていないと本来のパワーが発揮されないので重要な場所なんですよね。
カーボンが溜まって動きが悪くなるので排気バルブ付きの2ストに乗ってる人はマメに清掃していないとパワーダウンだけじゃなくて排気バルブ自体が壊れてしまいますよ。
部品が廃盤になってるバイクも多いので修復不能になるので気を付けてくださいね。