キャブ車に乗ってるってことはそれなりに古いバイクだと思います。

キャブはずっと使える部品ではなくて消耗品なんです。
意外と知らない人が多いみたいでキャブはずっと使えるものだと思ってる人が多いみたいですが違いますからね。

キャブのオーバーホールっていうのは、洗浄してジェット類とパッキンの交換をして標準セットに合わせるだけなんです。


長い間乗ってないとガソリン腐ってジェット類が腐食してしまい穴が詰まってエンジンが掛からなくなるんです。
そんな時にキャブのオーバーホールをするんですが、汚れ落としてジェット類とパッキンを新品に交換するんです。

まずは洗浄ですが、ホース類を全部外してから外側から洗浄します。

  
キャブの外部の汚れはパーツクリーナーやキャブクリーナーで洗浄すると思うのですが、おっさんはマジックリンで洗います。

パーツクリーナーは安いけど、キャブクリは高いからね。
どっちもアルコールが入ってるので、すぐに乾燥するから汚れが残ってしまうんですよ。
だからマジックリンでごしごしやって水で流すのが手っ取り早いです。
あとでキャブの内部を分解して掃除するから水が入っても関係ないですからね。

マジックリンはゴムやプラスチックなんかには良くないのでマジックリンを吹きかけて水洗いするまでの時間は短時間でやるように気を付けてるけどね。

今度は内部の洗浄ですが、外せる部品は全部外します。

   

 
あまりに腐食が激しいとジェット類が外れなかったりするんですが、そんな時はキャブが入る手鍋でお湯で煮込んであげると外れますよ。
ひとり暮らしの人は大丈夫だろうけど、おっさんみたいに家庭がある人は奥さんに怒られるかもしれないので、自分で用意するようにね。

前に家の手鍋でキャブを煮込んでたら妻からめっちゃ怒られました。

だいたい15分も煮込めば外れるのですが、それでも外れないときは30分ぐらい煮込めば外れると思いますよ。

ゴムやプラスチック類以外は外部と同じでマジックリンで洗います。
キャブの内部も外部と同じようにゴシゴシ洗えば良いのですが、負圧キャブのスロットルバルブ周りは慎重にね!

ジェット類は基本交換したほうが良いですよ。


ジェットリーマーっていうジェットの穴を掃除する工具があるのですが、リーマーになってるので穴が広がってしまうんです。
そうなるとジェットの番手が変わってしまうのでバイクの調子が悪くなってしまうんです。
キャブのオーバーホールは滅多にすることないし、定期的に洗浄していればジェットが詰まることはないので、この機会に新品に交換してくださいね。

キャブの内部のマジックリンで洗浄したら最後にパーツクリーナーで各部の穴を吹きかけて小さなごみを吹き飛ばしておきます。

ゴムやプラスチックはパーツクリーナーで洗浄してくださいね。

洗浄はこんな感じで大丈夫です。

最後にエアースクリューとフロートの高さを基準値に合わせます。


この基準値はこの前ブログで話したサービスマニュアルに載ってますからね。
サービスマニュアルがないときはバイク屋さんに聞いたら良いですよ。
教えてくれなかったら、バイクメーカーのサービスに電話したら教えてくれますよ。

 

フロートバルブの黒い部分はゴムになっているので減っているときは交換です。

 

フロートがフロートバルブにセットされた状態です。

フロートの金具部分を曲げて高さの調整をします。

 

こんな感じ。

まっすぐに立てるとフロートの重みでフロートバルブがとしてしまうときがあるので、金具とフロートバルブが当たった位置で高さを測ってくださいね。



キャブのオーバーホールと言っても特に難しいことはないので、やったことはない人はぜひチャレンジしてみてください。
ただ2気筒、4気筒とかになるとキャブの数が増えるのでめんどくさいんですけどね。
2気筒や4気筒になると同調の調整もあったりしてやることも増えますからね。

今回は単発でひとつのキャブの話なんで、多気筒バイクのキャブをオーバーホールしたときは同調も確認したほうが良いのですが、これはインジェクションも同じことなので、また今度にでも話します。

最後にキャブの消耗部品として、忘れがちなのがスロットルバルブとキャブ本体です。

 


スロットルバルブは金属なのですり減ってしまい小さな隙間ができてしまうんです。

スロットルバルが減っているってことはキャブ本体も減ってるんで、セッティングがでなくなるんです。

 

キャブ本体にスロットルバルブを入れてガタがあるときは寿命ですからね。



キャブのオーバーホールをすれば本来ならバイクの調子は戻るんですが、それでも調子が悪いときはキャブの寿命だと思ってください。
キャブは永久に使える部品ではないというのを覚えておいてくださいね。