今回は点火マップを変更していきます!


ECUの場合は点火マップの数値が点火時期になってます。
10であれば10度。
35であれば35度。

まずは現状の点火マップを確認します。
マップ自体は燃料と同じで横軸がアクセル開度で縦軸が回転数になってます。
  

点火時期は基本的にアイドリングがだいたい10度前後でスタートして低回転から中回転ぐらいまでに最大値になります。

アクセル開度40%で3400rpmで点火時期が30度


最大値のはじまりがアクセル開度27%で5200rpmで35度


中回転から高回転は最大値のままなのですが、このマップではアクセル全開時は最大値より少し下がっています。



このマップでは最大値が35度になっていますね。
前回お話ししたように点火時期の最大値は45度なので、まだまだ余裕があるのがわかりますね。


これは安全策として全開時の負荷を軽減させているからです。

全開時でノーマルレブリミットの点火時期


いよいよ点火時期を変更していきます。
まず、現状に不満がある場合は、その回転に絞って変更していきますが、特に不満がない場合は中、高回転のレスポンスとパワーをアップさせて点火時期の違いを体感してみて下さい。

アクセル開度40%で5600rpmから上の領域


この領域を2度増やしてみます。
たった2度ですが、レスポンスの良さとパワーアップを体感できるはずです。

この時にレスポンスは体感できるけどパワー感があまり感じられないときは点火マップで変更した領域と同じ領域の燃料マップを2から5%アップさせます。

するとレスポンスとパワーの両方アップします。
このようにして少しずつ点火マップの数値を増やしていきます。

このマップの場合であれば元の最大値が35度なので5度増やしても40度で点火時期の最大値よりも余裕があるから5度増やしたくなりますが、5度も変えると確実に燃料マップも変更しないといけなくなります。

この時に燃料が少ないとシリンダーヘッドとピストンの温度が上がりノッキングを起こしてしまいます。

逆に多いと点火時期を進めたとことによるレスポンスとパワーアップを体感できません。

そうなると点火マップを変更してもあんまり意味がないなぁって勘違いしてしまうんですね。

自分の身体で点火時期の違いを体感してレスポンスとパワーを身体に覚えさせるためにも2度ずつ増やしていくようにして下さい。

燃調がキッチリと合っていればレスポンスとパワーのアップを体感できるはずです。
で、パワーアップが少なく感じるときは燃料マップの数値を増やす。

この繰り返しで点火時期の最大値に近づけていきます。

最大値に近くなる前には点火マップを変更する前とは比べ物にならないぐらいのエンジン特性に変化しています。

正直、パワーやレスポンスなんて必要ないって思う人からしたら危険な領域になってるかもしれないけど、これが本来の姿だというのを知っておいて欲しいなぁと思います。

必要のないレスポンスとパワーであれば元の数値に変更するだけですからね。

レスポンスとパワーが欲しい場合はこんな感じで進めていきます。

次に低回転でギクシャクして乗りにくい場合は点火時期の数値を落としてあげます。
するとレスポンスが落ちるのでギクシャクしなくなり乗りやすくなります。

この辺りの領域


この場合も2度減らして様子をみます。
アイドリング付近は元が10度なので2度減らすと減らし過ぎの感じもありますが、一度試してみて違和感がなければ8度でも大丈夫です。

アイドリングが安定しないとかアイドリングの回転数が落ちたときは10度以下にならないように設定し直して下さいね。
その辺は臨機応変にお願いします。

で、2度点火時期を下げると変更した部分の燃料が濃くなります。
燃料が濃いとギクシャクしてしまうので、あまり改善されないときは点火マップの変更した部分と同じ領域を2%ぐらい燃料マップの数値を減らします。

点火マップの数値を増やしたときと逆になるんですね。

小、中排気量の場合は点火時期の数値を下げてレスポンスやパワーを落とすことはあまりしないと思いますが大型バイクになるとトルクがありすぎて乗りにくいと感じる場合があるので、点火時期のセッティングで好みのフィーリングにすることができるんですよ。

今回はECUの書換で説明してますが、サブコンでも基本は同じですからね。
サブコンの場合は元の点火マップに何度増減させるかっていう設定になっています。

だから考え方自体は全く同じで大丈夫ですよ。
使うサブコンによってどれだけ増減できるかが違ってくるので、そこまではおっさんもわからないですけど。

部分的に変更したい場合はアクセル開度はどれぐらいで何回転かを確認してから変更します。
この時も変更する数値は2度からにして下さいね。
そのあとは上で説明したことと同じですからね。

何も難しいことはなかったでしょ!

こんな感じで点火マップを変更していきます。
ほんと劇的に変わるから壊れるんじゃないかって思うかもしれないけど、最大値を守り、パワーが感じられないときに燃料を増やしておけば大丈夫だから安心して下さいね。

最後に点火マップの数値を増やす方向で変更した場合は必ずハイオクガソリンを入れてくださいね。

レギュラーガソリンは禁止です。

点火マップの数値を減らしてレギュラーガソリン仕様にすることもできますけどね。
そんなことするぐらいだったら、ECUの書換なんてしないだろうけど。