点火時期をイジるのはあまり馴染みがないかもしれないけど、CDIって言えばわかる人多いんじゃないですかね。


おっさんぐらいの年齢の人だったらポッシュやデイトナのCDIにお世話になったんじゃないですか。
また、90年代のレプリカ乗ってた人でちょっとイジッてる人はSPユニット入れてましたからね。
これが劇的にパワーアップするからNSR250とかNC30とかホンダ車は当たり前のように付いてました。

ポッシュやデイトナのCDIやSPユニットはリミッターカットできるだけじゃなくて点火時期がノーマルとは違ってたからパワーアップしてたんですね。

若い人はインジェクションにECUだから知らないと思いますが、点火が重要だというのはわかっていると思うんです。
プラグやプラグコードに気を使ってる人は多いですからね。

パワーやエンジンの調子に直結している点火時期だから自分でイジってはいけないのではないかと思ってる人が多いのですが、そんなことはありません。

点火時期もセッティングのひとつなので、ぜひ活用して欲しいなと思います。

点火時期は何度という表示になってます。
マニュアルを見れば自分のバイクの点火時期が確認できます。

こんな感じで点火時期が載ってます。

 

4°から21°             9°から31°

 

マニュアルを持っていない人が多いと思うのですが、この機会にぜひ購入してといて欲しいなと思います。


マニュアルを見ればノーマル状態の点火時期の範囲が載ってるんです。
これを元にセッティングしていくのですが、最大で何度まで上げることができるのかを確認するんです。

点火時期の最大値ですが45度までと思って下さい。


これよりも1、2度なら上げても大丈夫ですが、ストリートでそこまで詰めたセットをすることがないと思うので、目一杯進めたとして45度です。
マージンを残すという意味では40度までにしておくと安全です。

それから点火時期のマップを作っていく前にやっておくべきことがあるんですよ。

それが前回お話ししていた燃料マップの作成で燃調ですね。
これがキッチリとできていないと、燃調が悪いのか点火が悪いのかわからなくなるんです。

だから燃調をバッチリと決めてから点火時期の調整をするようにして下さい。

それともうひとつ大事なことが点火時期を変えると燃調が狂うということです。


基本的には点火時期を進める(数字をアップする)と燃料が薄くなり、遅らせる(数字をダウン)と燃料が濃くなります。

だから点火マップを変更すると燃料マップも変更しないといけないんですね。
ただ点火マップを変更した部分だけの燃料マップの数値を変更するだけで良いので、1から燃料マップのセッティングをしなければいけないということではありませんからね。

点火時期の変更ですが、この数字で何が変わるのか?
わかりますか?
パワーとレスポンスが全然変わってくるんです。

それも劇的に!

正直、同じバイクって思うぐらい変化しますよ。
だから楽しいんですが、点火時期のことをあまり知らない人からすると触ってはいけない部分と思われてるみたいですね。

そんなことはないんです。
昔からバイクや車に詳しい人は点火時期の調整はやってます。
それも特別なパーツが必要なワケでもないから昔の人からしたら、お手軽チューンの定番だったんですよ。

点火時期がデジタル化してCDIとなってからは点火時期の調整をする人が減ってしまったんですね。

だから今の若い世代の人達からしたら点火時期の調整っていうのは全く未知の世界だったと思いますが、ECUの書換やサブコンの普及で一気に身近なモノになったんです。

この機会に自分のバイクの真の姿を解放させて上げて欲しいなと思います。

で、点火時期を変えるとどう変わるのか?
数値を増やす(進める)とパワーとトルクがアップします。
それと同時にレスポンス(回転の上がりが速い)も上がります。
パワー、トルク、レスポンスがアップするから同じバイクだとは思えないんですね。

高いお金を出してエンジンチューンをしたぐらいの変化がありますよ。

で、数値を減らす(遅らせる)とパワーが落ちます。
力強さが無くなります。
レスポンスも落ちます。
アクセルに対する反応が鈍くなります。

デメリットばっかりやんって思うかもしれないですが大排気量の単気筒や2気筒なんかは低い回転のトルクが凄くてアクセルに対する反応が敏感過ぎて乗りにくいってなるんですよね。
そんなときは点火時期を遅らせてあげれば乗りやすくなります。

だから点火時期はパワーを出す、レスポンスをアップさせるだけに調整するわけではないんです。

自分が求めているモノに近づけるための調整です。


セッティングツールのひとつに点火時期があるだけなんですね。
90年代以降は未知の世界となっていた点火時期ですが現代になって大昔のようにお手軽チューンのひとつになりました。
バイクの潜在能力を引き出したり、乗りやすくしたりと、いろいろとバイクの性能を変化させることができるのが点火時期です。

これを自分で細かく設定できるなんておっさんみたいな古い人間からしたらスゲー時代になったなぁって感動もんですよ。
これができるECUの書換やサブコンはほんとありがたいツールですね。
これで準備はできたので、次回は点火時期の調整、マップを作っていきます。