参政党の吉野さんは選挙演説やFBなどで度々小麦の有害性を訴えてます。ご自身のクリニックではグルテンフリーや食品添加物を控えることで長年の症状から回復される患者さんが多いとの事。吉野さんのクリニックは自費であり、他院で改善しなかった患者が集まるようです。参政党員の中にも吉野さんの治療で改善した患者さんがいるようで、実際に街頭演説で体験談を語っています。
小麦は本当に害があるのでしょうか？
ファクトチェックをしてみました。
（ソース→医師の著書、医療雑誌、論文など）
①小麦の成分が有害である
②品種改良された小麦はグルテンが多い
③輸入小麦の残留農薬・カビ毒・殺菌剤
私の解説に入る前に、私以上にわかりやすく解説している方々をご紹介いたします。
小麦について警笛をならしている医師は日本よりも欧米が多いですが、「グルテンフリー外来」がある本間良子医師（米国発達障害児バイオロジカル治療学会フェロー）の動画
兵庫県立医科大の精神科神経科にも「グルテン専門外来」があります。「知らない間にグルテンにより身体症状や精神症状が出現している人が存在することが明らかになってきており、今回、グルテン外来を設置する運びとなった」
下記ブログなど私よりも上手く書かれてますのでご参照ください。
小麦の成分グルテンが有害である
小腸に炎症が生じる＝セリアック病の原因
小麦に含まれるたんぱく質のグルテンが分解されないと、身体が異物と認識し絨毛を攻撃します。腸は細菌やウイルスを撃退する免疫細胞が7割集結しており、小腸に炎症を引き起こした結果、免疫機能が下がり様々な体調不良が生じます。
また、グルテンに反応しゾヌリンの分泌が過剰に促進→小腸粘膜に隙間→消化吸収が妨げられる事による症状も生じます。
参考文献：「小麦は今すぐ、やめなさい」
監修：松宮敏恵（医師） フォーブス弥生：著
セリアック病は
・英国国立医療技術評価機構によると欧州では500万人以上
・日本人の発症率は140人に1人（日本セリアック病研究会）
・信州大学医学部第二内科によると過去の学会でも症例報告あり
・農林水産省の資料によると米国のグルテン関連患者数は約1,200~2,600万人(全人口の3.7~8.0%)と想定されています。
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/export/attach/pdf/30hokoku-24.pdf
セリアック病、グルテンについては、早死や関節リウマチ、統合失調症との関連性も指摘されています。
小麦は脳に炎症を起こす
イギリス王立ハラムシャー病院M.Hadjivassillou.MDは医学雑誌ランセットにてグルテン過敏症は原因不明の疾患を抱える患者に共通していると述べています。
グルテン過敏症→グルテンを構成するグリアジンに対する抗体の値が上昇して起こります。抗グリアジン抗体により炎症性サイトカインがより多く生成された結果、脳の炎症が生じます。
人間だけでなく犬にとってもグルテンで脳炎が生じるようです。
医学博士デイビット・パールマターはグルテンは「毒」と述べており、グルテンフリーにて以下の症状が改善した経験を本にまとめています。頭痛、うつ状態、精神的症状、異常な身震い運動、ADHD。
ウィリアム・デイビス博士も同様にグルテンフリーで自身の患者が関節痛、糖尿病、自閉症、統合失調症の症状が改善した経験を本にまとめています。
小麦には依存性がある
米国国立衛生研究所のクリスティン・ジオドロウ博士は、
グルテンは胃で分解され血液脳関門を通過できるポリペプチド混合物（エクソルフィン）となり、脳のオピオイド受容体と結合し感覚的な恍惚状態を生み出す、つまり小麦には依存性があると述べています。
グルテンだけではない
新宿溝口クリニックの溝口徹医師は著書の中で、グルテンだけではなく小麦に含まれるATISの害についても述べています。
大量生産のために害虫に強くする品種改良の結果、小麦にはATIS=アミラーゼトリプシン阻害物質（糖とタンパク質の吸収を阻害する）が多く含まれるようになった。栄養の吸収を阻害するATISの元で消化されたグリアジンは炎症誘発作用が強い＝腸粘膜は炎症を受けやすくなる。
参考文献：２週間で体が変わるグルテンフリー（小麦抜き）健康法
現代の小麦はグルテンが多い
現代の小麦＝パンコムギは、日本や世界中の人が古代から食べていた品種ではありません。現代の小麦は、ノーベル平和賞を受賞したノーマン・ボーローグ博士により半矮性遺伝子を組み込んだ品種改良したグルテンが多い小麦です。品種改良により安定供給ができるようになった小麦は世界中の飢餓を救いました。しかし、この小麦は長期の人体への影響について安全性を確認する実験、動物実験は行われていません。つまり現代の小麦が安全・危険であるというエビデンスはありません。しかし、新しい遺伝子組み換え小麦については下記のように専門家の間で安全性が懸念されています。
現代のパンコムギ品種はグルテンの遺伝子量が多く①で記載したグルテン起因のセリアック病やグルテン過敏症ほか様々な疾患が生じる原因となっています。
古代の小麦について
https://www.yhmf.jp/as/.assets/ADST_vol.76_42-45.pdf
輸入小麦の残留農薬・殺虫剤
輸入小麦は効率よく収穫するため、収穫前にグリホサートを撒きます（プレハーベスト）その結果、アメリカ、オーストラリア、カナダ、ドイツ、フランスすべての輸入小麦からグリホサートなど農薬が検出されています。そして、保管や移送中の品質を保つためポストハーベストという殺虫剤・防カビ薬がかけられ、それらも検出されています。
https://www.maff.go.jp/j/seisan/boeki/beibaku_anzen/attach/pdf/bunsekikekka-78.pdf
「本当は危ない国産食品」奥野修司：著 によると
国内で販売されている食パン・給食のパン・パスタや天ぷら粉からグリホサートなど農薬が検出されています。検出されていないのは国産小麦や有機栽培100％の商品だけです。
※小麦粉（国内製造）はパッケージに国産小麦と書かれていない場合は輸入小麦です
別のデータでもカップ麺やそうめんから有機リン系殺虫剤のクロルピリホスメチルが検出されています。
検出される農薬や殺虫剤は安全といわれる基準値以下です。しかし、個々の品が基準値以下であれば安全なのでしょうか？当然ですが、小麦だけで食べることはありません。1日や毎日の蓄積で言えばどれくらいの量の農薬や殺虫剤を食べている事になるのでしょう？
日本で一番流通の多い輸入のなたね油や大豆からもグリホサートが検出されますが、我々は1日でどれくらい農薬を摂取していているのでしょうか・・
朝食：食パン（グリホサート残留）
昼食：パスタ（グリホサート残留)
おやつ：なたね油で揚げたドーナツ（グリホサート残留）
夕食：お好み焼き、冷ややっこ（グリホサート残留）
日本人の子どもの尿からもグリホサートが検出されています。。蓄積されている人体に悪影響はないのでしょうか？
グリホサートの安全性については過剰に「安全である」と記事やTwitterで活動する方々がいますが、彼らのデータは古いデータに基づくものです。
最新の論文では有害性が認められています。
農薬、グリホサートの纏め
— トスターダ (内科医) MD PhD (@tostadas_Md_PhD) July 18, 2022
• WHOは発癌性を認め
• 欧米では厳しく規制された
• しかし日本では野放し状態
• EPAは2019年時点ではリスクを認めなかった
• しかし2019年以降1500個以上の論文が発表され、変わった
最近の論文を中心に農薬と、癌、自閉症、糖尿病、喘息等の関連を解説します↓
そして、2022/6/17 米国連邦控訴裁判所は、米国環境保護庁（EPA）に対して、除草剤グリホサートについてヒトや絶滅危惧種へのリスクに対して十分な評価を行っていないとして再評価を命じました。
http://organic-newsclip.info/log/2022/22061134-1.html
安全であると断定している方々の拠り所は上記のような公的機関の評価です。再評価を命じられている以上、「安全である」とは言えません。
①～③で小麦の害や危険性が明らかになりました。対象的に小麦が安全であるという資料や書籍も調べたのですが、論文にもありませんでした。
結論
参政党の吉野さんが言う「小麦の有害性」は事実
とはいっても・・
参政党は政策の中に小麦については記載しておらず、参政党の候補者も小麦を食べてます。小麦を禁止するわけではありません。
何を食べるかは個人の自由です。候補者の吉野さんは国民の健康のために、批判されても小麦の危険性を訴えていくそうです。吉野さんのお陰で小麦をやめて体調が良くなった人がいるようで、Twitterにも多く体験談が書かれていました。興味がある方は探してみてはいかがでしょうか
私はパンやケーキが大好きですが国産小麦を選んで購入し、食べる回数を減らそうと思います
長文、お読みいただきありがとうございました。