桜はじめに(本教室を開始するに至った経緯)

 家庭での学習で、自閉症スペクトル症や発達障害、軽度の知的障害などをもつ我が子へ教える難しさに直面されている保護者様はとても多いと思います。

一方、診断名は無く、顕著な発達障害の傾向が表出しないために見過ごされてしまうことが多い、いわゆる「グレーゾーン」に該当する子ども達への支援の難しさについても着目されてきています。

このように、診断名の有無に関わらず、適切な支援が得られないことによって、一度、学習活動に対して苦手意識を持ってしまうと、拭うことは容易ではありません。

様々な特性を持つ多くの子ども達と接してきた中で、これらのように感じる事が数多くありました。とりわけ、特別支援学級や通級教室を利用している子ども達への学習面について、より細やかなサポートの必要性を強く感じるようになりました。

 

桜活動の概要

 具体的には、個の思考や興味、反応に応じて、より細やかに目を配っていく事で「できた!」「解けたら楽しい!」を明確に感じる経験を蓄積させてあげる事です。これにより、学習を苦手と感じる子どもの困り感を確実に軽減させる事ができると考えております。

また、学習活動の成果物のみならず、活動中の身体の運動機能面にも目を配っていきます。学習に必要な集中力を養うために欠かせない資質だからです。そのために、音楽教室として種々の活動を積み重ねて来た知見を活かした本教室ならではの活動を取り入れていきます。

 そこで、この度、あや先生(※1)を担当講師として招聘し、より良いサポートを提供します。もちろん、子育ては一朝一夕には叶わないことはこの文章を読んでおられる保護者様にはご理解いただけると思います。だからといって決して諦観せず、子ども達への最適な支援のために、教室内での勉強会や指導案の作成について、大勢の関係者の力も借りながら進めていく所存です。

 

桜「ファシリテ」名前の由来

 本教室の趣旨は、子どもが難題に面した時、支援者が決して短絡的に答えを教えるのではなく、共にわからない理由を探っていき、共に課題に向き合い、共に学んでいくことで、真に身に付く学習習慣を醸成していくことです。この考えから生まれたのが、個別学習支援ファシリテです。

 「ファシリテ」は、音楽用語で「優しい」という意味です。決して甘やかすという意味ではありません。音楽用語はいずれも同様ですが、作曲家の真意に迫るためにはあらゆる解釈をしなければなりません。そのためには独りよがりに陥ることなく、他者と意見を交わし、時には自己の思考を崩し去りながら新たに構築していくことが必要です。この過程を数多く経るほど、よりファシリテになります。このような願いをこめて名付けました。

 

桜自己紹介

 最後になりましたが、私が個別学習支援を始めたいと考えたきっかけは音楽療法です。私は、日本音楽療法学会認定音楽療法士の資格を有し、あかねミュージックセラピーにて、個別音楽療法を実施、また、児童発達支援センターや事業所、放課後ディサービスなどで、集団の音楽療法を実施しております。音楽療法の対象児は、少し発達に気がかりな子どもから発達障害や様々な障害のある子どもです。

 個別音楽療法で連携させていただいている臨床心理士の発達検査の分析結果を見る度に、当該の子どもの健全な成長のために必要な要素は、日常生活の各場面に内在している事を強く感じます。大別すると、音楽療法の活動の中で行なっていくべき事、学校生活で育む事、家庭での学習面で育む事の3点です。

 

桜終わりに

  これらのように、子どもはあらゆる生活場面で育まれるべきだと考えます。子どもだけが悩む必要はありません。保護者だけが苦しむ必要もありません。教室へ通って来られるお子さまとお母さまの心を優しく包み込み、日々の活力の糧になるよう、しっかりとサポートさせていただきます。

 

※1 あや先生・・・発達障害児支援士・保育士資格を有し、放課後等デイサービスにて療育に携わっている。特技の手芸を活かして個に合わせた手作り教材を作製している。 二児の母。

 
あかね音楽教室
個別学習支援教室ファシリテ
代表 髙橋 茜